精神科Q&A

【0078】主治医にあまり多くを話していないようなのですが


Q: 私の昔からの友人の33歳の女性なのですが、10年以上から幻聴や被害妄想のために精神科での治療を受けています。今の病院には数年通っており、薬はずっと飲んでいるようです。しかし本人は主治医の先生にあまり多くを話していないようです。これでは良くならないのではないかと心配です。

林: あまり話していないことは必ずしも問題ではありません。
 カウンセリングというと、じっくり時間をかけて話し合う、という印象を持っておられる方が多いですが、必ずしもそうとは限りません。もちろん、初めての診察のときには時間をかけるのが原則ですが、それ以後は、病気や病状によってかける時間は違ってきます。時間をかけて深いところまで話すことで、病気が悪化することもあります。カウンセリングにもそういう副作用があるのです。この方は統合失調症のようですが、統合失調症はへたにカウンセリングをすると悪化しやすい病気のひとつです。長年ひとりの先生にかかっておられるようですので、その先生は患者さんのことをよくわかっていると思います。よくわかったうえで、短時間の診察のほうがよいと判断されているのかもしれません。
 もちろん悪化しても症状を全然報告していないというのであれば問題ですので、ご家族などから見て何か気づいたことがあれば主治医に伝えることは必要でしょう。

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