精神科Q&A
【0610】自分の気持ちが他人にみすかされている
Q: 私は22歳女です。 最近以下のように人と違うことを感じます。
(1) 記憶があいまいになります。
人がはなしたこと、「その話この間わたしが言ったじゃない」と思うことが度々あります。
また自分自身も忘れて何度も同じ話をしてしまいます。
何年後かにふと思い出して二度はなしてしまったことに気づきます。
(2) (1)と少し関係がありますが、私が前に人に話したのと同じ内容を、ほかの人が私に話します。例えば 中学の友達Aさんに私が話したことを職場のBさんが私に話すのです。AさんとBさんは知り合いではないです。影で二人が打ち合わせしたということはありえません。
でも同じような話があちこちで、まるで私のことをみすかされているようにされるのです。
(3) 自分の気持ちが他人にみすかされてしまいます。
今から話そうとしたこと、やっぱりやめた、と胸にしまおうとするとその話を相手がしだします。 気味が悪いです。
(4) 人と会っただけで、赤面、震えがでてしまいます。それがおこらない相手もいます。どういう人のときにこうなるかという決まりはありません。この症状がでてしまう相手と会話するときは、「あ、まただ」と自分でわかるので目があわせられないし 頭がそっちに集中してしまうので真っ白になり会話にみが入らず、その場しのぎの嘘をついてしまったり その時はなしたことを忘れてしまったりします。
これらが苦で自殺願望が繰り返しおきます。これらは治りますか?
林: 精神科で治療を受ければ治ると思います。
もっとも考えられる病名は統合失調症(精神分裂病)です。
「自分の気持ちが他人にみすかされています」というあなたの体験は、考想伝播といい、統合失調症(精神分裂病)で非常によく見られる症状です。そう説明されても、自分の場合は確かに気持ちが他人にわかってしまっている、証拠もある(「私が前に人に話したのと同じ内容を、ほかの人が私に話します」、「今から話そうとしたこと、やっぱりやめた、と胸にしまおうとするとその話を相手がしだします」)と主張されることがほとんどですが、それがまさに統合失調症(精神分裂病)の妄想です。
記憶があいまいになります
このあなたの訴えも、内容を読みますと、考想察知の体験を記憶の障害の一種と自覚されているようです。
あなたの書かれているように、他人が自分の考えているのと同じことを口にする、ということのほかに、他人のちょっとした仕草などが、自分の気持ちをみすかしていることをほのめかしている、という体験もよくあります。会う人がみんなそういう態度を取ることなどから、みんながグルになっているという妄想に発展することもあります。
いま私が書いたことが信じられる・信じられないはともかく、今のあなたの状態をよくするために、精神科を受診することをお勧めします。治ると思います。