「薬ではない」と称して売られているものに、実は薬の成分が入っているという報告はいくつもあります。
● Remedies may contain cocktail of active drugs. (by Stricht BIV et al)
British Journal Of Medicine 308: 1162, 1994.
香港からハーブとして輸入されていた物のなかに、ステロイド、ジアゼパム(抗不安薬)、インドメサシン(抗炎症薬)が含まれていたという警告です。
● Adulterants in Asian patent medicines (by Ko RJ)
New England Journal of Medicine 339: 847, 1998.
カリフォルニアのハーブ店で売られている物のうち、7パーセントに表示されることなく薬が入っていたという調査結果です。入っていたのはエフェドリン(咳止めですが、依存性があります)、ステロイドなどです。
ハーブと薬の併用が人体に有害なことがあるという報告もあります。
● Herb-drug interactions (by Fugh-Berman A)
Lancet 355: 134-138, 2000
「ハーブ-薬物の相互作用」という表題の通り、色々なハーブと薬の有害な相互作用がまとめられています。たとえばセントジョーンズ・ワートと抗うつ薬やジゴキシン(心臓の薬)、ギンコ(銀杏の成分で、痴呆に効くと言われています)とアスピリンやカフェインなどが危険であると警告されています。そのほかにもたくさん出ていますので、ハーブと薬を併用している人やしようと考えている人は一読の価値があります。
一般的でない「薬」や、ニセの薬についての短い(しかし内容の濃い)コメントもあります。
● Too much, too little, or none at all: dealing with substandard and fake drugs (by Alain Li Wan Po)
Lancet 357: 1904, 2001