精神科Q&A
【0578】統合失調症(の疑い)から回復したが、激昂が止まらない
Q: 私は22歳の女性です。
2年前、イギリス留学中に、幻聴が聞こえる、盗聴されている、誰かに監視されているなどの妄想が始まり、1週間近く眠らない、生理が止まるなどの身体的症状もあって、現地の病院で統合失調症の疑いがあるという診断をされました。
その後、家族の勧めもあって帰国し、日本の病院にも通院し、しばらくは薬も服用していたのですが、幻聴がおさまったこともあって、多少の恐怖感(電車に乗ると監視されているような気がする、家から出るとき隣人が覗いているような気がする、大きな音を出したり恥かしいと感じたときに、壁越しに「聞かれている」と感じるなど)は残っているのですが、意欲もありますし、心の準備をしていれば人との交流も普通にできるので、病院に行くのも薬を飲むのもやめてしまいました。
しかし、時々過去のいやなことを思い出したり、父親に対する憎悪について思いをめぐらせていると、自分でも「おかしい」と感じるぐらいに激昂して、物を壊したり、頭の中で父親を殺す妄想のようなものが繰り返しフラッシュバックのように見えたりします。これが、1日1〜2回は起きます。
時には人前だったり旅行中だったりして、なんとか自分をおさえるのですが、とても難しく感じます。あまりにイライラするので、眼がバタバタと痙攣したり、ナイフを振り下ろす仕草をしたりするのを、自分でも止められません。
これは、統合失調症と関係のある症状なのでしょうか?それとも、嫌な思い出などによるトラウマのせいなのでしょうか?
林: 統合失調症(精神分裂病)の症状そのものです。薬による治療を早く再開してください。このままではほぼ間違いなく悪化すると思います。入院が必要な事態になるかもしれません。今すぐに薬の治療を再開すれば、そうならずにすむと思います。時々過去のいやなことを思い出したり、父親に対する憎悪について思いをめぐらせていると、自分でも「おかしい」と感じるぐらいに激昂して、物を壊したり、頭の中で父親を殺す妄想のようなものが繰り返しフラッシュバックのように見えたりします。これが、1日1〜2回は起きます。
時には人前だったり旅行中だったりして、なんとか自分をおさえるのですが、とても難しく感じます。あまりにイライラするので、眼がバタバタと痙攣したり、ナイフを振り下ろす仕草をしたりするのを、自分でも止められません。
これらのように、自分が抑えられなくなる、怒りっぽい、という形の症状が表面に出るのは、【0534】の方とも共通点がある症状です。
あなたのケースのように、大体よくなったと思った時点で自己判断で服薬を中断し、その結果再発するというのは非常によくあるパターンです。あなたの場合は、今の時点でもしかしたら症状かもしれないという自覚がおありですので、まだいいのですが、症状であることが認識できないままどんどん悪化していくケースもかなりあります。服薬を自己判断で中断することは、非常に危険なことなのです。一日も早く服薬治療を再開してください。