精神科Q&A

【0073】家族の面会は本人には悪影響ですか


Q: 20歳の統合失調症(精神分裂病)の息子が自殺未遂のため一週間前に精神科に入院しました。幸い命に別状はなく、会話もできるようになって一安心したのですが、当面は面会禁止を主治医から言い渡されました。家族の面会があったほうが本人は安心すると思うのですが、主治医の先生がおっしゃるには、かえって悪影響のこともあり得るという説明でした。そんなことがあるのでしょうか。

林: 面会がかえって悪影響になることはあり得ます。特に入院直後の不安定な時期には比較的よくあることです。もちろん面会によって安心するケースもあります。どちらが多いかといえば、それはやはり面会によって安心することの方が多いでしょう。けれどもそれはケースバイケースですので、息子さんの場合は面会がマイナスになると主治医が判断されたのですから、その病院での治療を続ける限りは主治医の指示に従うべきです。
 特に面会がマイナスになるのは、ご家族が過干渉の場合です。また、入院患者さんのちょっとした変化に一喜一憂しすぎるのも悪影響になります。あなたの場合がこれにあてはまるかどうかはもちろんわかりません。ただ、過干渉な家族は、ご自分ではそういう意識がないことが大部分であることも重要な点です。
 また、統合失調症 患者・家族を支えた実例集のp.130「献身的すぎる母」にもお書きしたように、家族が過干渉だと統合失調症の再発の率が非常に高いということも証明されています。逆にまったく無関心な場合もよくないのはもちろんですが、過干渉な場合にはご家族としては自分は患者さんのために少しでも力になろうとされているのがかえってマイナスに作用するので、十分な注意が必要です。

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