精神科Q&A
【0566】「痛いのはどこか」(ダカーポ)の出典
Q: 22歳の男性で、大学で心理学を専攻している者です。心理学は文科系の学問ではありますが、脳との関係を切り離すことは当然できないので、医学との接点に非常に興味を持っております。ダカーポ530号(2004/2/4)の林先生のエッセイ、「痛いのはどこか」を興味深く拝読いたしました。私たちが日ごろ何気なく使っている「こころの傷」という言葉が、単なるたとえとは言えないことに、感銘を受けました。このエッセイで紹介されているサイエンスの論文をぜひ読んでみたいので、出典をお教えください。
林:
■ Does Rejection Hurt? An fMRI Study of Social Exclusion
Naomi I. Eisenberger, Matthew D. Lieberman, and Kipling D. Williams
Science 2003 October 10; 302: 290-292.
です。
もっとも、この論文に書かれているような実験室的な環境でのこころの傷と、実際の人間社会でのこころの傷がどこまで共通し、どこまでが相違しているものかが、今後のこの種の研究の課題になると思います。