精神科Q&A
【0070】薬が「瞬間的」に効いたのですが
Q: 70歳の父が心気症的なうつと診断され、薬を飲んでかなり良くなっていました。ところが薬がなくなり一週間ほどでまたひどい状態になりました。心配していたのですが、薬をまたもらって飲んだら、まるで解熱剤が効くときのように、「瞬間的」といっていいほど急に良くなりました。こんなことがあるのでしょうか。
林: 抗うつ薬には速効性はありませんが、抗不安薬(俗にいう「安定剤」)には、かなり速効性のあるものがあります。すぐに効いたということは、抗うつ薬ではなく、抗不安薬だったのでしょう。こういうことはよくあるため、抗うつ薬と抗不安薬を同時に処方することも多いです。つまり、まず抗不安薬の効果を期待し、後になって抗うつ薬が効いてくるのを待つわけです。
ところで、抗うつ薬が効くまでには速くても一週間、普通は二週間以上かかりますが、ときには2、3日ではっきりした効果が出てくることもあります。理由はよくわかりませんが、事実として確かにそういうことがあります。