精神科Q&A
【0507】太らないためにはどのくらいまで食べられるのでしょうか
Q:
私は14歳の中学2年生です。ちょうど1年くらい前、友達のことでストレスがあり、食欲が落ちたことがありました。
すると、二週間で体重がストンと3キロ落ちてしまったので、もともとぽっちゃりだった私はとても嬉しく、そこからダイエットを始めました。食事制限も苦でもなんでもなく、 「ダイエットなんて続くわけないじゃん」「食べないようにガマンするのは苦痛だよね」なんて言う人の気持など全く分かりませんでした。1日の食事をせんべい一枚で終えたこともあります。
それから2ヶ月後、ベッドから起き上がれなくなって、母が私を病院に連れて行くと、もともと46キロあった私の体重は38キロになっていました。
私の身長は150センチメートルなので、38キロという体重はそんなに低くはないのですが、病院では栄養状態が大変なことになっている、と言われました。医者は入院を勧めましたが、私は断りました。
今は、それからさらに痩せ、35キロです。でも、食べ過ぎたら便秘薬を一日100錠飲み、 食事は1日500キロカロリー以上とったら太る、と思い1日500キロカロリー以内で食べようとしていますが、それ以上食べてしまう日もあり、そうすると便秘薬を飲みます。 親が知ったら泣くと思います。
友達は800キロカロリーある給食を1食で全部食べても、毎日同じ体型でくるし・ ・
心では分かっているけれど、やっぱり私は500キロカロリー以上は過剰摂取だと思ってしまうんです。先生はどう思われますか。
林: あなたは摂食障害(拒食症)です。
拒食症のもっとも重要な特徴は、やせようという極端に強い願望です。それは、カロリーの厳格な制限や、食事をとりすぎた(とりすぎたと思った)時に、わざと嘔吐したり下剤を使ったりといった行動としてあらわれます。あなたの行動はまさにそれにあてはまっています。最初はダイエットがきっかけだった、というのも非常によくあることです。
身長150センチメートル、体重38キロというのは、確かに他の拒食症の人と比べれば、「そんなに低くない」といえないこともないですが(それでも標準体重からはかなりのマイナスではあります)、栄養状態というのは決して体重だけで判断できるものではありません。病院で
「栄養状態が大変なことになっている」
といわれたのは、血液検査などでかなりの異常が認められたのでしょう。
拒食症のページでいったように、これは命にかかわる病気です。入院を勧められて断ったとのことですが、このままですと、あなたの生命に危険があると思います。入院治療を受けてください。