精神科Q&A

 

精神分裂病という病名を統合失調症に変更するという提唱(これはあるひとつの学会の提唱にすぎません)の背景には、精神分裂病という病名にはネガティブな印象があまりに強いという主張があります。そのため病名変更が提唱されているのですが、これはある意味では欺瞞、ある意味では現実に即した柔軟なやり方といえます。
 ある意味では欺瞞という理由のひとつは、それなら他の病名はどうなのかということが出てくるからです。「人格障害」は人格を否定した病名ではないでしょうか。また、「うつ病という病名はいかにも暗い。なんとかなりませんか」というメールを私はいただいたことがあります。本人や家族が嫌う病名は、すべて変更すべきだともし主張されると、なかなか反論することはできないでしょう。しかしもし精神分裂病にならってどんどん病名を変更していったら、いつまでたっても収拾がつかなくなるでしょう。


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