精神科Q&A

 

悪性症候群の診断基準 (Caroffらによる)

1. 発症前7日以内の抗精神病薬の使用の既往 (デポ剤の場合、発症の24週間前の使用の既往)

2. 高熱 (38度以上)

3. 以下のうち5項目

意識障害

頻脈

頻呼吸、あるいは低酸素症

発汗、あるいは流涎

振戦

尿失禁

CK値の上昇、あるいはミオグロビン尿

白血球増加

代謝性アシドーシス

5. 他の薬物性、全身性、精神神経疾患の除外

 

参考
Caroff SN et al: Neuroleptic malignant syndrome: Diagnostic issues.  Psychiatric Annals 21: 130-147, 1991.

 

悪性症候群: 山脇の診断

1. 発症と向精神薬に因果関係があることが必須条件 (抗精神病薬や抗うつ薬の投与あるいは投与量の増減や種類の変更、または抗パーキンソン薬の中止)

2. 原因不明の発熱 (明白な感染源のない38度以上の発熱が、連続的に徐々に上昇し、抗生物質や解熱剤に反応しない)

3. 昏迷あるいは意識障害

4. 筋強剛、無言無動、振戦などの錐体外路症状 (ときにけいれん発作またはミオクローヌス発作を伴い、まれに筋強剛のない悪性症候群がある)

5. 自律神経症状 (発汗、尿閉、流涎、頻脈、血圧変動など)

6. 臨床検査所見 (血清CPK上昇、白血球増多。血清CPKは、症状改善に伴って低下する)

 

参考
山脇成人:
悪性症候群 --- 病態・診断・治療 ---. 新興医学出版、東京、1989.  



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