精神科Q&A
【0467】15歳の娘の手のけいれん
Q: 中学3年生(15歳)の娘についてご相談します。
先日、台所でお菓子を作っていた娘が手がピクピクしてものが上手くつかめないでいました。肩から手にかけて震えではなくケイレンしているようで物を上手につかめずお菓子の生地を落としたりしていました。
つい最近も朝から弁当を作ろうと台所に立って卵を掴もうとしたところピクピクが始まり卵を上手く掴めず10個ほど床に落として割ってしまいました。この症状は特によく朝に見られます。手は大きく上下に動き、本人もどうすることもできないようです。しばらくすると治まるのですが、中学3年でもうすぐ受験なので心配しています。これは何かの病気でしょうか。
林: まずは神経内科を受診すべきだと思います。
一般に、「ケイレンするんです」とおっしゃる方の、実際の症状にはかなりの幅があります。すなわち、体の一部(たとえば手など)が細かく震えるものから、全身の筋肉が大きく動くものまで、その間のさまざまな段階の症状が、一般にはケイレンと呼ばれます。
医学用語でいうケイレン(痙攣)にはこのような幅はなく、もっと狭い範囲の症状を指しているのですが、それはともかく患者さんのおっしゃる「ケイレン」は、実際に見るか、あるいは詳しくお話をうかがわないと、本当はどのような症状かわからないものです。
ですから娘さんの症状も、医学的な意味でケイレンといえるかどうか、ちょっとわかりかねます。ただし、一過性に手の不随意運動があることは確かなようです。これは心理的な原因で起こることもあれば、神経内科の領域の病気で起こることもあります。まずは神経学的な診察を受ける必要があります。受診の順序としては、神経内科を受診するのが最初ということになるでしょう。