精神科Q&A
【0452】抗うつ薬でじんましんが誘発されることはありませんか
Q: 19歳の女です。「うつ状態」のため、今までレキソタン(半錠)とパキシル(半錠)をそれぞれ1日1回寝る前に服用していました。
昨日からルボックス1錠を1日2回(朝・夕)服用するように処方されたのですが、ルボックスの副作用で稀に「発疹、赤み、かゆみ」が起こることがあるとインターネットのあるサイトに書いてありました。私は夏になるとじんましんが出ることがあり、ひどい時は脚全体が蚊に刺されたような醜い腫れものに覆われます。
ルボックスの副作用でじんましんが誘発されるようなことはないのでしょうか??それが気になって服用をためらっています。私はルボックスを飲んだほうがいいのでしょうか?
林: あなたはルボックスを飲んだほうがいいでしょう。
「発疹、赤み、かゆみ」は、どんな薬にもありうる副作用です。ルボックスに限ったことではありません。ですから、「ルボックスの副作用で稀に発疹、赤み、かゆみが起こることがある」という、あなたのお読みになったサイトの内容は正しいです。けれども、どんな薬にもあり得るという重要な点が抜けているということになります。もしルボックスの副作用としての「発疹、赤み、かゆみ」を心配して飲まないというのであれば、これまであなたがお飲みになっていたレキソタンやパキシルも飲むべきでないということになります。
こうした副作用は、アレルギーとして起こるものですが、あなたに夏になると出るじんましんとは関係ありません。もちろんじんましんもアレルギーですが、あなたの場合でいえば夏に関係した何らかの物質が原因(これをアレルゲンといいます)になっているのでしょう。それは薬のアレルギーとは無関係です。
さっき、「あなたのお読みになったサイトには、この副作用がどんな薬にもあり得るという重要な点が抜けている」と言いましたが、実際には薬の副作用の説明をするときに、「この副作用はこの薬に特有」「この副作用はどんな薬にもある」といちいち書くのはあまりに煩雑ですし、現実的ではないでしょう。ここに、専門家でない方がご自分で情報を調べることの落とし穴があります。なんでも自分で調べて納得したいという気持ちはわかりますが、それには限界があります。あなたのように治療をすでに受け始めた場合は、主治医の先生以外からの情報は無視するくらいの姿勢のほうが、早くスムースに治ると思います。インターネットで副作用の情報を見て飲むのをためらっていたら、病気はいつまでたっても治りません。