精神科Q&A

【0432】統合失調症だと思われますが、幼児のような真似をします


Q: 高3になる娘です。1年半前から学校中の生徒が噂している、道ですれ違う若い人が皆自分にひとこと言っている、と言い出しました。また、昼夜逆転で一年前から心療内科にかかっています。 
 医師は最近無理に聞いてみたら、「統合失調症として治療してますが・・」と言われました。幻聴は薬で3か月程でなくなりました。 
 今では人が変わったようにマンガかインターネットぐらいで、無気力です。服装もだらしなく、発病してから甘えが強く赤ちゃんのように駄々をこねる時もあります。静かな子でしたが何でも器用にし、成績が殆どトップだったからかテストの結果が気になり、学校へは行けるようになったのですが、テストの日は行かないと言います。 
 ハロペリドールからリスパダールに変わってからなのか、はっきり嫌なものは嫌といいます。夜になるとそわそわして、ふわふわ踊ったり抱きついたりします。 
このままどんどん幼児のようになってしまうかと不安です。私としては本当に統合失調症とは思いたくありません。 
 はっきり調べる検査はないのでしょうか? 

: やはり娘さんは統合失調症(精神分裂病)だと思います。20歳前後に幻聴と被害妄想で始まり、薬物治療によってこれらは比較的すぐに良くなったものの、幼児的になった、つまり人格水準が低下したように見える。これは統合失調症の典型的な経過です。幻聴や被害妄想は陽性症状、現在の状態(人格水準の低下)は陰性症状といいます。
「私としては本当に統合失調症とは思いたくありません」
とおっしゃる気持ちはわかりますが、現実を否認することは、娘さんの治療に決してプラスにはならないでしょう。
「はっきり調べる検査」
はありません。しかし、娘さんの場合、診断は間違いないと思います。
 あるいは、娘さんを統合失調症ではない、という人が現れたら、あなたはその人の言うことを信じたくなるかもしれません。しかしそれは現実否認であって、統合失調症としての治療を続けなければ、経過は悪くなるでしょう。
 治療としては、薬を続けることが基本です。そして、現在の娘さんは陰性症状が目立つ状態ですので、認知行動療法的アプローチの適応だと思います。いずれにせよ、みるみるうちに改善するというわけにはいきません。あせらずに治療を続けてください。


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