精神科Q&A
【0428】介護職に就いたのですが、患者に嫌われ自信をなくしています
Q: 27歳女です。二週間ほど前から痴呆の方中心のデイホームの職に就いている者です。
介護の職はかねてからの私の希望で、ホームヘルパー2級講座を受け終了後、晴れて仕事先も見付かったのですが、まだ周りの職員に足手まといになっている日々が続き、凄く肩身の狭い思いをしています。
とりあえず利用者さんと上手くコミュニケーションを取りたいのですが、これもまた上手くいかず、一部の利用者さんに無視されたり、送迎バスの添乗では『近くに座らないで』と嫌われてしまっています。
ハンディのある人の少しでも助けになりたいと思って就いた介護職なのに、その当の利用者さんに嫌われたという思いはとてもつらいものがあります。嫌われてしまったと察知すると何も喋れなくなり、胸が痛みます。そんな時は無意識に、自分の腕を血が滲むくらい引掻いたりしてしまいます。
そして仕事を始めてから、利用者さんの夢で明け方目が覚める毎日。休日も、仕事が無いのに『仕事をしていて、いつしか眠ってしまい ハッとして目覚める』夢で明け方、目が覚めてしまう事も・・・。母に相談してみたのですが、『それは熱心に仕事に励んでいるからよ』と取り合ってくれません。
以前の仕事先でも、嫌な事はあったのですが、夢にまで出てきて明け方に目が覚める、なんて事はありませんでした。仕事を続けていく事に不安が出てきましたが、職場の方は感じの良い方が多く『辞める』とは言い辛い状態です。職も就いたばかりですし・・・。
一度、病院へ カウンセリングに行った方が良いのでしょうか?
それとも、時間が解決してくれるものなのでしょうか?
林: 人を助ける仕事は、感謝されることもあれば、逆に嫌われたり恨まれたりすることもあるものです。
「一部の利用者さんに無視されたり、送迎バスの添乗では『近くに座らないで』と嫌われてしまっています」
とのことですが、この程度のことは、人を助ける仕事に携わる限り、誰でも経験することです。それは、介護でも、福祉でも、医療でも同じことです。
人を助けて感謝されたい。この業界に入る人は誰もがそういう動機を持っていますが、どんな仕事でも同じように、思ったとおりにいくことばかりではありません。むしろ思ったとおりにいかないことのほうがずっと多いでしょう。仮に、感謝されるのが当然のはず、という気持ちがあなたにあるとしたら、それはあらためたほうがいいでしょう。
嫌われたり恨まれたりするのは、決してあなた自身が何か失敗したとか、または何か問題があるとかが理由とは限りません。ですから、その意味では今の時点でそう悩まれる必要はありません。
「その意味では」というのは、ご自分を責める必要はないということです。ただ、逆にいえば、ご自分に落ち度がないのに嫌われることもあるという現実は認識する必要があります。それから、落ち度があった場合にはもっと重大なことになりうることは言うまでもありません。
やや厳しい文面になってしまいましたが、「人を助ける仕事は、感謝されることもあれば、嫌われることもある」ということを是非認識してください。
まだお仕事を始められて二週間とのこと、病院の受診を考えるのは早すぎると思います。ご自分の力で頑張るべき時期です。それにはお母様のおっしゃることにも関係しますが、あまり熱心にやりすぎるのも考え物です。割り切るべきところは割り切ってなさったほうが、結局は長続きすると思います。
厳しい文面になったついでというわけでもないのですが、最後にはっきり言いますと、この程度のことでお辞めになったり病院に行ったりするようでは、福祉や介護の仕事は向いていないと判断したほうがいいと思います。もう少し頑張ってみてください。