精神科Q&A
【0395】ステロイド注射で気分がフワフワと軽くなった
Q:
40歳の主婦です。最近、なんとなくイライラしやすかったり、寝汗をかいたりして、更年期障害かなと思っていたのですが、質問はそれとは別のことです。先日、内科で花粉症の症状を和らげるためのステロイド注射（ケナコルト）を打ったところ気分がフワフワと軽くなり、何もかも他人事のような感じになってしまったのです。正常な状態とは言えませんが、打つ前の苦しさが棚上げされたような・・。毎年大量に服用しなければならない鼻炎薬の量を減らしたくて去年から年頭に一度だけステロイド注射を打っていました。去年も注射直後からこのようなフワフワとした気分になった経験があるので、これで今の切羽詰った気持ちから逃げられるかもという期待もありました。
しかしまた2ヶ月後ぐらいに来る注射の効き目が切れる時の反動も去年経験しています。
内科の医師にこのことは話していませんが、1ヶ月以上空ければ何度でも注射してくれるそうです。（あくまでも花粉症の症状緩和のために）
ステロイド注射でこのように精神状態が変化することは有り得るのでしょうか？
しばらくステロイド注射を続けて様子を見るというのは精神科的にはどうなのでしょうか？わたしは精神科を受診すべきでしょうか？
林:ステロイド注射でこのように精神状態が変化することは有り得るのでしょうか？
あり得ます。ケナコルトの注射は中止してください。また、注射をした内科医にこのことを必ず話してください。
ケナコルトに限らず、ステロイドは副作用として精神症状を引き起こす可能性があります。あくまで「可能性」ですので、症状が出る前の段階でそれを過度に心配する必要はありませんが、あなたの場合はほぼ間違いなく副作用としての精神症状が出ています。続けることは危険です。ケナコルトの注射は中止してください。「しばらくステロイド注射を続けて様子を見る」のは危険です。花粉症に対しては別の治療法を選んでください。そうすれば、特に精神科受診の必要はないでしょう。
ただし、中止の仕方については、主治医である内科の先生によく相談する必要があります。あなたの記載の中にある
「しかしまた2ヶ月後ぐらいに来る注射の効き目が切れる時の反動も去年経験しています。」
は、ステロイド離脱と呼ばれる症状です。「反動」の具体的内容が不明ですが、その内容によっては、急に中止すると危険なことも考えられます。
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