精神科Q&A
【0393】体重が20キロ台になってしまった母
Q:
母(54歳)は6,7年程前から体重が急に落ち始めました。 一時期には22,3kgにまでなりました。 しかし一昨年から去年の春くらいまではだいぶ持ち直し、体重も30kgをこえました。
けれどそれから再び体重が落ちていき、二カ月前には低血糖で意識不明になり入院しました。 幸いにも意識はすぐにもどりましたが、その病院は救急の病院だということで4日間で追い出される格好で家に戻ってきました。 今は本人に外出する体力もないので週2回ほどお医者さんに家に来てもらい点滴をうっています。
しかし現在でも体重が落ちるはっきりした原因はわかっていません。 病院ではストレスによる拒食症ではないかと言われたそうです。 けど拒食症というのは痩せたいという願望から食べなかったりするものだと聞いています。
母はまったく食べないわけではないし(父に無理やり食べろと言われているような状態ですが)、痩せたいという願望もないみたいです。
母にとって父の存在がストレスになっているのではないかと思います。 かつて拒食症ではないかと言われた時に、父は「いつあなたにストレスをかけたんだ」とわめきちらしたそうです。 今でも父はとにかく食べろとしか言いません。特に酒が入るとかなり人に絡んでくるし、母は酒の入った父を怖がっているみたいです。
今まで手を出したことはないですが、かんしゃくを持っておりキレると何をするかわからないという恐怖感は私にもあります。
一刻も早く精神科に行った方がいいと思うのですが、父は精神科と聞いただけで何を言い出すのかわかりません。
土曜日だけは父は家にいないので何とかしたいのですが。しかし母も体重は恐らく25,6kgだと思うので連れ出すことも出来ません。 何かいい方法は無いでしょうか。このままでは母の体は悪くなる一方だと思います。
林: お母様は生命の危機に瀕していると思います。したがって、いま必要なことは、精神科受診ではありません。まず内科に入院するべきです。
お母様が拒食症かどうか、何かストレスになっていることがあるかどうか、いずれも重要な問題ではありますが、今はそんなことより生命の危機を救うことです。「低血糖で無意識になった」というのは、きわめて危険な症状で、死と紙一重です。救急病院に入院してすぐに意識が戻ったのは文字通り「幸い」だったと思います。
仮にいま精神科に入院しても、最初の治療は精神科的なものよりも、体重の回復・低栄養からの脱却になるでしょう。だとすれば、入院先は精神科よりも内科のほうが勝るのは明らかです。「一刻も早く行ったほうがいい」のは、精神科ではなく内科です。