精神科Q&A

【0388】うつ病からの職場復帰にあたって、「何でも5割程度にやりなさい」とアドバイスを受けているのですが、具体的にどのようにすればいいのでしょうか 


Q: 私は、約2年前に仕事上のストレスが原因でうつ病と診断され、治療を受けている中間管理職(46歳、男性)です。
 この2年の間に、数ヶ月休養し数ヶ月出勤するということを3回繰り返し、今は約2週間後に再び職場復帰する予定になっています。今度こそは完治させて以前のような心身ともに元気な自分を取り戻したいと切に念じているところです。
 ところで職場復帰に際しては、勤務先の産業医(精神科医)からは、「あなたは少しでも体調が良いと頑張ってしまうので公私とも5割稼動でやりなさい。それを向こう一年間心がけなさい。」と言われました。職場の方でも職場そのものは変わりませんが責任の無いポストに変更してくださり、回復を第一に考えて気楽に仕事をしてもらうと言ってくれています。そういう意味で職場の理解もあるのですが、自分としては「5割稼動」でいくということが、仕事においても、また自分の趣味活動(マラソン)や家庭の用事等において、具体的に何をどの程度に抑えたらよいものか、感覚的に掴みきれません。時間的に短時間にすればよいのか、一つの仕事なり用事なりを倍の時間をかけてやれば良いものなのか、単純に一日2つの仕事等を1つにすればいいものか、いささか混乱しています。よいヒントをいただければ幸いです。
 また、私の現状ですが、気分自体は明るいものになっていますが、疲れが溜まると早朝覚醒になったり、体がだるくなり無気力になることがあります。

: 5割という数字にこだわる必要はありません。適当にやってください。それが結局は治癒への最短距離になります。日によって程度が違っても構いません。

それから、「5割稼動でやりなさい」と言われて、「5割というのは具体的にはどうしたらいいのだろうか」とお悩みになるのは、まさにうつ病の人の特徴です。物事をいい加減にすますことができにくいのです。それはあなたの長所であるとは思いますが、裏を返すとうつ病になりやすい、再発しやすい、ということになります。今の時期に限らず、全体的に適当・いい加減にやることをお勧めします。おそらくあなたの感覚としての「適当・いい加減」が、世の中の標準では普通くらいなのだと思います。適当・いい加減にやることが、再発予防にもつながります。


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