精神科Q&A
【0365】精神分裂病と宗教
Q: 私は分裂病に関する書物をよく読むのですが、その中に(狂気と家族/レイン)分裂病になった人は聖書、教会にのめり込む事があるとあります。わたしもかなり宗教的(カトリック)な人間だと自分で思っているのですが、宗教的である事と精神分裂病とのあいだになにか関連はありますか。また、宗教的な人間とは、精神科医からみるとどういう傾向の人間であると分析できますか。
林: 宗教的である事と精神分裂病(統合失調症)には関係はないと思います。また、「宗教的な人間」がどのような方を指しておられるのか不明ですが、仮に「宗教を信じている人」ということだとすると、そういう人の精神科的な特徴というのは特にないと思います。
ただ、精神分裂病の人の中には、「偽宗教的な信念」(これは英語ではpseudoreligious beliefといいます。すみません、正式な訳語が私にはわかりません。たぶん偽宗教的な信念で大きな間違いはないと思いますが)にとらわれる人がいらっしゃることは確かです。つまり、表面的には何かの宗教的な信念のように見えるものの、実際には宗教といえるレベルのものではなく、非常に誇大的だったり、時には荒唐無稽の場合もあります。