精神科Q&A
【0336】私はパニック障害です。3歳の子供も将来パニック障害になる率が高いのでしょうか。
Q: 私は29歳の主婦です。7年くらい前からパニック障害と診断され、治療中です。私自身は、症状が辛い時もありますが治療も受けておりますので、発症してしまったものは仕方がないと半ば諦めております。
今回ご相談したいのは、息子のことです。まだ3歳なのですが恐がりで几帳面な面もあり私と気質がよく似ているように思うのですがパニック障害は脳の機能異常を起こしやすい体質でその体質は遺伝すると聞きました。その上、環境的なものが加わると発症しやすいと伺っていますが、そうすると、息子が発症する率も親がパニック障害でない子供に比べて発症率が高くなるのでしょうか?
林: 【0022】こころの病気は遺伝しますかにお書きしたように、どんな病気にも遺伝の要素はあります。ただし注意していただきたいのは、「遺伝の要素がある」ということは、一般に言われる「遺伝する」という意味とは違うということです。
「親がパニック障害の場合、息子が発症する率も親がパニック障害でない子供に比べて発症率が高くなるか?」というあなたのご質問にyesかnoかでお答えするとすれば、それはyesです。
ただし、繰り返しますが、これはどんな病気でも同じです。花粉症でも、癌でも、胃潰瘍でも、それから結核でも同じです。結核は結核菌による感染症だから、遺伝は関係ないとお考えになるかもしれませんが、感染しやすさという意味では、やはり遺伝の要素があります。事実、結核の罹患のパターンだけを見ると、ほとんど遺伝性疾患のように見えることもよく知られている事実です。
ですから、「遺伝の要素がある」ことを認識している必要はありますが、だからといって何か特に心配することはないと思います。むしろ、心配することあまり育て方がぎこちなくなることの影響の方が心配です。認識は認識として、普通にお育てになることが大切だと思います。
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