精神科Q&A
【0326】舌が回りにくい
Q: 47歳男性です。最近、舌の回りが悪く仕事に支障をきたしています。３〜４年前からなんとなく感じてはいましたが、最近それが顕著になってきています。この一ヶ月間に『脳ドック』『耳鼻咽喉科』『口腔外科』『歯科』と受診しましたが、これといった異常はないとのことでした。唯一、口腔外科の先生に『メイラックス』という薬をいただき、1日1回服用して1週間が過ぎていますが、効果はそれほど出ていないような気がします。メイラックスは調べたところによると抗不安薬のようなので、私の症状はストレスからきているということなのでしょうか。
林: 百聞は一見にしかず、ということわざがありますが、言葉に関する症状は、逆に一回実際にお聞きすればたちどころに診断できることがあります。それは極端な例だとしても、いずれにせよ、お聞きしなければ ほとんどわかりようがないというのが事実です。「舌の回りが悪い」というだけでは、非常にたくさんの病気が考えられますので、残念ながら推定の診断名を挙げることも不可能です。
これまで四つの科にかかられたとのことですが、その中に言語症状に詳しい先生がいらしたかどうかが問題です。たとえば耳鼻咽喉科の先生の中には、言語症状に詳しい先生もいれば、そうでない先生もいます(たとえば耳が専門というように)。こういう事情はどの科でも同じです。
その他の科を受診されるとしたら、まずは神経内科でしょう。また、「言語聴覚士」という、言語の専門職もあります。言語聴覚士の方が開業されているとか、病院で最初に診るということはないと思いますが、神経内科やリハビリテーション科のスタッフとして勤務されていることもあります。
いずれにせよ、言語症状に詳しい医師や専門家に診てもらうほうがいいでしょう。それは何科を受診するかということよりも重要なことです。