精神科Q&A
【0267】 とつぜん体が脱力してしまった
Q: 20歳の女性です。 このあいだ、とつぜん体が脱力してしまって、自分の力ではどうしても動かせない、という症状がでてしまいました。 精神科では、過換気症候群、過呼吸といわれたのですが、わたしの場合、 初期の段階で呼吸のみだれは、ありませんでした。 力をいれようとしたり、しゃべろうとすると、呼吸が乱れる感じです。 とにかく苦しくて意識が遠のく感じでした(このへんは過呼吸と、症状が一緒です) 今までに、ドグマチ―ル、レキソタン、調子の悪いときに、パキシル、デパスを飲んでいました。担当の先生が変わり、不安から、通院と薬を飲むのを勝手にストップさせてしまって3週間目の出来事でした。 今はまた薬を再開して、大きな症状はでていません。 が、なるべく、薬を減らしていきたいと思っています。(気持ちはとても元気なんですが・・・) 私の症状はなんでしょうか? 本当に過喚起症候群なのでしょうか? 思い当たる出来事がありません。 またあのような苦しい思いをしたらどうしようと思うと、過度に薬を飲んでしまいそうで不安です。(本当は減らしていきたいのに・・・)
林:初期の段階で呼吸のみだれは、ありませんでした。
もしそれが本当なら、過換気症候群によるものではありません。過換気症候群による脱力やしびれは、まず過換気や過呼吸(過換気と過呼吸は同じものと考えてください)があって、それによって血液中の酸素の濃度が過剰になるために起こるものです。ですから、あなたのように脱力がまずあって、それから呼吸の乱れを自覚するというのは、過換気症候群ではあり得ません。(ただし、本当に脱力の前に過呼吸がなかったかどうか、客観的に確認する必要はありますが、ここではなかったものとして回答しています)
そうしますとあなたの症状は何かということになりますが、メールを読んだ限りでは、いちばん可能性があるのは心因性のもの(転換症状といいます。これはけいれんを起こす癲癇<てんかん>とは全く別のものです)だと思います。もっとも、脱力の持続時間や状況(動いているときに起きて倒れたのか、座っているときや寝ているときに起きたのか、など)、その他、完全に全身が脱力したのか、意識は最初ははっきりしていたのか、などが不明ですので、なんとも言えないところではあります。こうした細かい症状によっては、身体的な検査が必要になることもあります。