精神科Q&A
【0263】パニック発作はなくとも抗うつ薬を飲むべきなのでしょうか
Q: 36歳、女性。フルタイムで働き、家に帰ると3人の子供と主人がおります。
1年前にパニック障害と診断されてからリ−ゼ5mgを2錠朝昼夜とワイパックスを頓服として使っています。症状は他の方と殆ど変わらず、自分でもこの病気にかかったんだという事をちゃんと認識しています。現在は薬は朝1回だけで、私の場合乗物がダメなので乗る前に服用する程度で、薬を飲むようになってからは殆ど発作は起きていません。ただパニック障害とは別に結婚17年になる主人との間で悩む事がこの頃多く、主人も私が病気なのでそうなんじゃないかという風に見られるのがとても嫌です。主人と上手くいかないのも病気と何か関係があるのではと思い、インタ―ネットでパニック障害のHPを見ているうち抗うつ剤を飲まない事でなにか問題があるのでは?と思うようになってしまいました。パニック発作はなくとも抗うつ剤を飲むべきなのでしょうか?夫婦の問題を病気のせいにされてしまうのは私にとってとても辛い事なのですが、パニックの辛さを知らない主人には「私がパニック障害だから」という見方があると思えます。パニックになりやすい人はうつ病にもなりやすいのでしょうか。
林: パニック障害で、発作がおさまっている場合、必ずしも抗うつ薬を飲む必要はありません。発作がおさまっていれば、抗うつ薬は飲まない方がむしろ普通でしょう。
パニック障害で抗うつ薬が必要なのは、発作がおさまらない場合と、うつ病の合併がある場合です。あなたの場合には、発作はおさまっていますので、うつ病の合併があるかどうかがポイントになります。ご質問の、パニックになりやすい人はうつ病にもなりやすいのでしょうか
に対する答えはイエスです。これについては膨大な研究データがあるのですが、結論としては確かにパニック障害とうつ病の合併率は高いようです。
ただしあなたがうつ病かどうかは全くわかりません。ご主人との関係以外には特に問題がなければ、むしろうつ病の可能性は低いでしょう。まずは病気ということはあまり考えずに、薬以外の対処法を考えるべきだと思います。