精神科Q&A
【0237】短期精神病性障害とはどのような病気ですか
・・・続きです
精神科での病名告知には複雑な問題があります。患者さんやご家族が病気について正確な知識をお持ちであれば真実を最初から告知して問題はないはずですが、それは少なくとも初診の時点では全く医師にはわからないことですので、告知には躊躇することもよくあります。たとえば統合失調症(精神分裂病)という病名を聞いただけで、間違った知識や情報に基づいて、不治であると絶望する人や、治療しても無駄だと考える人も少なからずいらっしゃいます。
また、正確な知識を持っていても、いわば「真実に耐えられない」場合があります。つまり、病気というものは完治するものばかりではないのは当然ですが、完治しない病気であるという真実に絶望されることもあります。その場合はやはり(少なくも最初の段階では)別の病名を告げたり、病名は曖昧なままにしておいたりすることもあります。
その一方で、何回も診察しないと本当に病名がわからないことも少なくありませんので、最初に言われた病名をもとに色々調べたり、病名を教えてくれないからといって不信になったりされるのは、いずれも不適切なことが多いものです。