精神科Q&A
【0231】アメリカでSSRIが発売中止になったと聞いたのですが
Q: インターネットの情報で、アメリカでSSRIが発売中止になったと知りました。重い副作用が出たのでしょうか。これまでにも、アメリカで害があることが判明しているのに、日本では厚労省がそれを知りながら対応せずに色々な薬害が出ていたようですが、SSRIは大丈夫なのでしょうか? 厚労省の対応を待たずに自衛したほうがいいのではないでしょうか?
林: 「アメリカでSSRIが発売中止になった」というのは、Solvay社のLuvoxのことだと思います。これは同社のHPにはembargo(発売停止)という表現で報告されています。日本で同じ薬がルボックス、デプロメールという商品名で発売されていますが、私が日本の製薬会社の人から直接聞いたところでは、アメリカでの発売停止は、製造過程に一部規定を遵守していなかった所があるのが判明したためで、薬剤そのものの副作用によるものではないとのことです。アメリカのFDAもこの薬剤の有害作用について特別な警告は出していませんので、日本の製薬会社の説明は正しいと私は考えています。文書による報告もされています。そして、日本でのルボックス、デプロメールの製造過程はアメリカとは異なっているので、Solvay社の発売停止は日本には無関係とのことです。
したがって、アメリカでルボックスが発売停止になったことは、薬物そのものの有害作用によるものではなく、日本には無関係です。