精神科Q&A
【0227】娘が統合失調症(精神分裂病)と診断されました。育て方が悪かったのでしょうか
Q: 18歳の娘が1年前に不登校となり心療内科で統合失調症(精神分裂病)と診断されました。
小さい頃から、我が強く育てにくい面があり、叱ることが多く、小学校3,4年のころは毎日のように「ぐずる」、「叱る」の繰り返しでした。小学校でも友達関係があまりよくなかったため、他県の中高一貫の私立へ通わせましたが、そこでも対人関係がうまくいきませんでした。今、退学して自宅治療で薬を飲み続けています。安定してきたため、通信制高校への編入を考えていますが、また、これが負担になり、将来に絶望しいらいらが始まりました。統合失調症(精神分裂病)は、小さいときの育て方にも原因があると聞きました。幼少時の私の対応のまずさがこの結果を生んだのでしょうか?
林: 統合失調症(精神分裂病)の発症と親の育て方とは関係ありません。
昔、幼少時の母親の育て方が統合失調症(精神分裂病)の発症につながると言われていたことが確かにありましたが、その後の研究で因果関係は否定されています。それでも古い本などには母親が原因とも考えられるなどと書かれているかもしれませんが、今では完全に否定されていますので、気にされることはありません。
ただし、いったん統合失調症(精神分裂病)がよくなったあとの再発には、ご家族の対応が大きく左右しますので、過去を振り返るよりもこれからのことに気持ちを向けてください。