精神科Q&A
【0217】パラフレニーの治療
Q: 55歳の母親が3年前からおかしくなり始めて、精神科で診断したところ 「退行性パラフレニー」と診断されました。
症状としてはへんな妄想、被害妄想、自閉症状、人への不信感、警察にたすけを求める、 隣の家に駆け込み迷惑をかける等々ひどいものです。
入院させて1年間以上、その後も通院、入院のくりかえしでやっと最近緩和してきて 半年間は家で過ごしていましたが、また再発して入院してしまいました。 本人もつらいでしょうが、看護するものも定期的に発症して、しかも完治しない病気らしいので 頭がいたいです。
なんとか薬に頼らず緩和していくこと、また、それを持続していくことを望んでいるのですが、 (本来なら本人がちゃんと自立して前向きになってくれることが一番なのですが・・・) どうしたらよいのでしょうか・・・?
林: パラフレニーというのは、今ではあまり使わない病名です。この辺の事情は複雑なのですが、結論としては統合失調症(精神分裂病)の一種と考えるべきです。
だとすれば治療のためには薬を飲むことが必要です。なんとか薬に頼らず緩和していくこと、また、それを持続していくことを望んでいるのですが、
その気持ちはわかりますが、病気の性質上それは無理です。
この【0217】のケースでは、再発の経緯が不明ですが、いちばん多いのは薬を指示通り飲まなかったというケースです。お母様の場合はどうだったのでしょうか。ご家族が、薬をなるべく飲まないほうがいいというようなことを直接言ったり、態度に表したりされなかったでしょうか。
自立して前向きになるのは、まず薬をきちんと飲むことが前提だと考えてください。