精神科Q&A
【0209】 体重があれば拒食症ではないのでしょうか
Q: 28歳女性です。昨年秋に精神的なショックをうけ食べては吐き、食べては吐きの繰り返しです。先生のホームページの自己診断をしたところ、体重があるため拒食症ではないと診断され安心しました。ただ、秋から比べると、だいぶやせたのですが・・・体重があれば、拒食症の心配はないのでしょうか?
林: 体重があっても、拒食症の可能性はあります。
拒食症に限らず、診断基準というものは、いわば「とりあえず」決められたものにすぎません。本来は病気の診断というものは、いくつかの症状があればそれでつけられるというものではないのですが、ある程度は客観的な基準がないと診断が人によってバラバラになってしまうので、仮にチェックリストによってつけているというだけのことです。このようなデータの積み重ねによって病気の本質に少しでも近づこうというのが、診断基準の理念です。
私のサイトのチェックリストも、大部分は診断基準によって作成してありますので、これで診断しようというのは無理があります。あくまでも目安にすぎません。
拒食症に関しては、体重は重要な条件ではありますが、これも絶対ではありません。たとえば発症の初期や回復の途中、あるいは過食症に移行する時期には体重は正常のこともあります。あなたの場合、体重が減ってきているということですので、拒食症になりかかっている(または既になっている)可能性は大いにあります。