精神科Q&A
【0202】薬を止めたらめまいが出てきました
Q: 32歳の女性です。約1年前に、通勤途中の電車の中で呼吸困難になり倒れ、精神科でパニック障害と診断されました。当初の処方は、ルボックス50mg=朝+夜、ソラナックス0,4mg=朝+昼+夜、就寝前にハルシオン0,25mg+レンドルミン+ユーロジン2mg、不安になった時にセパゾン2mgで、気持ちが非常に楽になり、原因の仕事もセーブして順調に回復し、投薬もだんだんと減らしていき先週までの1ヶ月で、ルボックス25mg=朝のみ、ソラナックス0,4mg=朝のみまで減っていました。
先週の診察で、投薬は止めてみましょうとのことで全く服用を止めたところ、1日目は大丈夫だったのですが2日目夕方から、頻繁な間隔(2〜3分に一度)で、後頭部から目の奥に向かって一瞬なのですが、非常に軽いめまいの症状があります。会話中でも、食事中でも、寝転んでいても、そのような間隔を感じます。とてもイヤな感覚ですが、たちくらみ程ひどくないですし、ほんの一瞬の症状なのです。
後頭部の皮膚がしびれてるような感じで、頭がボォーッとしていて症状が重い時と軽い時があります。しかし、以前のような感情の変化は、特に感じませんでした。現在ではストレスの原因だった仕事も辞めてゆっくりと自宅療養中で以前のような不安感や悲観的な考えを持つことはなくなっています。この症状が出てから診察を受け、再びルボックス25mg=朝のみ、ソラナックス0,4mg=朝のみ、を服用したところ、上記のような症状は1日目で軽くなり、2日目でほとんどなくなりました。今回不安に思っているのは、このまま投薬を止めることができないのではないかという事です。4月か5月位から念願の海外留学をする予定だということもあって、心配しています。
林: あなたの軽いめまいは、離脱症状(退薬症状ともいいます)だと思います。離脱症状というのは、それまで飲んでいた薬を中断した時に、薬の血中濃度の低下に伴って出てくる色々な症状のことです。特に、大量に薬を飲んでいた人が、急に中止すると出やすいものです。普通なら、あなたのように徐々に減らして、ルボックス25ミリグラム、ソラナックス0.4ミリグラム程度にまでなっていれば、急に止めても離脱症状は出ないものですが、体質的に出てしまったと考えるべきでしょう。
対策としては二つ考えられます。
ひとつは、もっと慎重にゆっくり薬を減らしていくことです。まず今の半分にしてみるのがいいかもしれません。
もうひとつは、離脱症状があっても軽ければ、何日かそのまま我慢してみることです。離脱症状は、普通は数日たてばおさまります。
もちろん、離脱症状ではなくて、まだ病状的に今の量の薬を続ける必要があるのかもしれません。ただし、可能性としては離脱症状のほうがずっと高いと思います。