精神科Q&A
【0032】 妊娠中でも薬は飲めますか。
Q: 29歳の女性です。強迫性障害で薬を飲んでいたのですが、妊娠したため自分の判断でやめていました。今のところ症状は出ていないのですが、今後再発するのが心配です。薬を再開するべきでしょうか。ちなみに今は妊娠7カ月です。
林:
妊娠では3週から3ヶ月を「器官形成期」といい、重要な器官が作られます。この時期の成長はデリケートなので、3週から3ヶ月はできれば薬は飲まないというのが原則です。逆に言えば、この時期を過ぎたら、薬についてあまり神経質になる必要はないということです。今は7カ月とのことですので、器官形成期はとっくに過ぎています。ですから、精神症状の方がご心配なら、薬を飲んで構わないでしょう。(ただし、もちろんこれも絶対ではありません。強迫性障害に使われる薬の中では、パキシルは妊娠後期でも胎児への危険性が知られています)ただし、もちろん「絶対に安全」ということはありません。精神症状が再発した場合のつらさや、それによる妊娠・出産への悪影響と、副作用の可能性のどちらが大きいかをお考えになって判断するべきだというのが、厳密には正しい答になります。
なお、精神科でよく使う薬の中で催奇形性があるとされているものとしては、リーマス、テグレトール、デバケン、フェニトインなどがありますので、こうした薬については特に注意が必要です。