精神科Q&A

【0169】 躁うつ病の夫がうつ状態から脱することができない


Q: 40歳になる私の夫が躁うつ病と診断されています。1度躁状態を経験してから、ここ半年くらい、鬱の重い状態が2週間おきくらいで定期的に起こります。薬を徐々に増やしていますが、薬が効いてきたかと思って安心していると、外出やいやな出来事など、ちょっとしたことがきっかけでズドンと落ち込み、1週間くらい寝込みます。この二ヶ月くらいはそういうことを繰り返しています。それで思うのですが、抗うつ薬とは風邪薬のような効果なのでしょうか。つまり、よくなったと思って本人の希望で外出するのは、風邪薬を飲んで熱を押さえて外出するようなものなのでしょうか。それとも単純に薬が足りないだけなのでしょうか。薬が効いていて調子のよいときは、どこまで活動をしてよいのかよく分かりません。


: 躁うつ病は、多くの場合、完全に良くなり、何の後遺症も残りません。抗うつ薬は、「風邪薬のようなもの」ではありません。
 風邪薬というのは、表面的に症状を抑え、自然の回復力に期待するという性格のものです。ご質問にある「風邪薬のようなもの」というのは、このことをおっしゃっているのだと思いますが、抗うつ薬はそれとははっきり違います。つまり、もっと根本的に治すものです。

薬が効いてきたかと思って安心していると、外出やいやな出来事など、ちょっとしたことがきっかけでズドンと落ち込み、1週間くらい寝込みます。

とのことですが、これはまだ十分に治っていないということだと思います。それは治療期間がまだ足りないのかもしれないし、いま飲んでおられる薬の量が十分でないためかもしれないし、薬が合っていないためかもしれません。2カ月くらいではまだまだ何とも言えないでしょう。
 どの時点で完全に良くなったと判断するかはなかなか難しいものがあります。「薬が効いていて調子のよいときは、どこまで活動をしてよいのか」は、ある程度は手探りと考えてください。「ある程度」とはどの程度かということは非常に微妙ですので、主治医の先生とよく相談されることだと思います。ただ一つだけ言えることは、早く良くなろうとして、あまり気が進まないのにいろいろ活動をするのは良くないことです。ごく自然にやる気が出たと感じるまでは休んでいる方が結局は回復は早くなります。
 ただし良くなっても再発の危険性は否定できませんので、いつまで薬を続けるかなどは、主治医の先生とよくご相談ください。


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