精神科Q&A
【0164】 病院で擬態うつ病だと思われていると思うとつらいです
Q: 精神科に通っている17歳女性です。症状は不安、うつ、リスカ、自殺衝動などです。正直私は、自分が何の病気かなんてあんまり興味ないし薬さえもらえてこの症状が晴れたらいいなと思っています。けれども、先生の擬態うつ病という本を読んで何だか病院にいくのが怖くなってしまいました。というのは、私は擬態うつ病なんじゃないかって思ったんです。先生が本に書いたとおり、本物のうつ病より厄介なものなのでしょう。私、病院の先生に「あぁ、この子擬態うつ病だな。うつ病のふりだな」とか思われてそうで厭なんです。
林: そういう心配は無用だと思います。
まず、擬態うつ病というのは私の造語で、医学用語ではありません。私の本もそれほどたくさん売れているわけではありませんので、(残念ながら)そんな言葉を知っている医者は少なく、知っていても認めている医者はさらに少ないでしょう。
ただ、あなたがうつ病かどうかということについては、うつ病でない可能性の方が高いと思います。メールに書かれている症状だけからの判断ですので、「可能性が高い」という程度しか言えませんが。さらに推測を続けますと、あなたがいま診て頂いている先生も、あなたがうつ病であるとは考えていないと思います。診断名がどうであるかということよりも、続けて診て頂いているという事実の方を重視すべきでしょう。
なお、擬態うつ病という名前は、(本を読んで頂いたとのことですので、おわかりと思いますが)、何もうつ病のふりをしているという意味ではなく、うつ病に症状は似ているが本当はうつ病ではないものの全てを指しますので、その意味ではあなたは擬態うつ病に入ると思います。繰り返しますが、それはうつ病のふりとか、わざと症状を作っているとかいう意味ではありません。