精神科Q&A
【0159】 美容整形に失敗し醜形恐怖になりました
Q: 31歳の男性です。美容整形に失敗し、肌がぼろぼろになってしまい、仕事でどうしても必要な人を除いては、一年以上誰にも会うことができません。
ここ1、2ヶ月は、仕事も休みがちで、会社にいっても30分と落ち着いていられなく、人と顔を会わせて話すこともとても怖く感じます。顔の肌のぼこぼこは、面と向かって話す距離であれば、誰でもわかる位のものです。朝から晩まで鏡を見てしまいます。食欲もあまりなく、ここ3週間ほどで、5キロほどやせました。夜も疲れているのに寝つけず、寝ついたとしても悪夢にうなされ、毎日、2時間ほどしか眠れません。
少し前までは、仕事も人生もどうなってもいいと逃げる気持ちばかりでしたが、今は、仕事はなんとかこなし、通院だけでなんとか切り抜けれないかと考えています。カウンセリングは開始しましたが、医療機関で診療・投薬をうけてはいません。通常、醜形恐怖とは、自分の外見を気にする健常者の女性(男性もあるかもしれないが)が、なることについて書かれていますが、事故とかで、顔に傷を負ったりした人の、醜形恐怖については、あまり記事をみません。事故とかで顔に怪我をおった人の醜形恐怖というのは、薬やカウンセリングで直せるものなのでしょうか? どれくらいの年月が平均的にかかるものなのでしょうか? それとも、早めに薬を飲むべきなのでしょうか?
林: まずあなたが醜形恐怖であるかどうかが問題です。
醜形恐怖とは、客観的に見ると醜くはないのに、本人は醜いと固く信じてしまっているという症状です。ですから、もしあなたの怪我の結果、本当にあなたのおっしゃるように顔に大変な影響を残しているとすれば、それは醜型恐怖ではありません。ただし、醜形恐怖の方は、例外なく、本当に醜いのだと信じておられますので、メールではどうしても判断できないところです。
あなたが醜型恐怖かどうかはともかく、体重、睡眠にかなりの悪影響が出ておられるようですので、何らかの治療が必要な状態ではあると思います。
カウンセリングを受けておられるということですが、それだけで十分かどうかは、メールからは判断できかねます。強い不眠と体重減少などからは、薬物治療も必要なようにも思われますが、いま治療をして頂いているカウンセラーの先生の判断を尊重したいところです。けれどもカウンセラーとひとことで言っても、本来資格はない職名なので、ピンからキリまであるということは知っておくべきだと思います。医学的な立場からすれば、薬などの治療が必要な時に、それを的確に判断して医療機関に紹介できるということが、カウンセラーの絶対条件だと思います。
【関連ページ】● 対人恐怖の図書室・・・ここに紹介してある「対人恐怖・醜形恐怖」という本が参考になると思います。