#4それは「うつ病」ではありません! 林公一著 宝島社新書 2009年2月

「うつ病とは何か」を皆様にわかっていただくためには、「似て非なるうつ病とはどのようなものか」をお伝えすることが最良の方法のひとつである。この考えのもとに、私が書いた本です。文体は意識してやや軽薄にしてありますが、内容は決して軽薄ではありません。けれども、部分的に読まれると、その文体や表現の仕方も手伝って、誤解を受けるかもしれません。ですから、ぜひ最初の一行から最後の一行までお読みいただきたいと思います。

本書のまえがきでは、これは『擬態うつ病』(2001年 宝島社新書)の続編と位置づけています。「似て非なるうつ病を描くことで、うつ病の輪郭を明らかにする」という意味では、『擬態うつ病』のまさに続編といえるものになっています。しかし本書を書き始めたときは続編という意識は実は私にはなく、最近とみに混乱してきたうつ病概念を本来の形に整理しようという意図でした。これは現代の精神医学界でも重要な問題でありますので、正攻法で書くとカタくて読みにくい本になってしまいます。書き方を軽薄にしたのは、そのようなものになることを避けようという目的もあってのことです。熟読していただけば、「軽薄に見えて重厚」な本であることがおわかりいただけるかと思います。

以下に章立てを示します。
1章 うつ病は治ります
2章 うつ病・カオスの時代
3章 擬態される、うつ病
4章 うつ病・カオスの時代・医学界篇
終章 こころの風邪は、うつ病ではない


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