#3 専門医が教える うつ病 野村総一郎 著 幻冬社 2008年7月
野村総一郎先生が書かれた本のうち、決定版といえるのは#1の「うつ病の真実」ですが、読みやすさ・親しみやすさという点ではこの#3が優ります。うつ病についてのポイントが見開き2ページごとにまとめられ、適切なイラストともあわせ、内容をスムースに吸収することができます。#1うつ病の真実は、最初から最後まで熟読してはじめて真価がわかる本ですが、この#3は、どこから読んでもそれなりに理解できるので、目次から必要な部分を選んである意味気楽に読むこともできる本です。
唯一の問題点は、「うつ病は4種類に分類される」とするPart3で、この4分類は、なんとかしてわかりやすく説明しようとするための窮余の策であり、逆に混乱を招くおそれもあると思います。もっとも、野村先生はそんなことは百も承知でこの本ではあえてこのように書かれていることは疑いありません。それは#1をお読みいただくとよくわかると思います。
以下に章立てを示します。
Part1 うつ病かもしれないと思ったら
Part2 あなたの大切な人がうつ病になったら
Part3 きまじめな人だけがなるとは限らない
Part4 薬物治療でうつ病を治す
Part5 うつ病をくり返さないために