精神科Q&A

【2350】乳がんと診断されてからうつ病(?)になった母


・・・続きです

【2350】の68歳の女性は、うつ病の可能性が高いと思います。このように、体の病気をきっかけにうつ病が発症することは少なからず見られるものです。うつ病は適切な治療を受ければ治ります。したがって、

今は、ひとつの病院の方針の指示に従っています。

このようにして治療を続けることをお勧めします。(但し、治療内容の記載がないので、適切な治療を受けておられるか否かはわかりません)

お聞きしたいのは、63歳からうつ病を発症し、仕事や子育てもない環境で直ったケースというのはありますでしょうか。

もちろん多数いります。

年齢が年齢なだけに、もう直らないんじゃないかという恐怖にかられます。

そんなことはありません。

もともと気が小さく、その分、虚栄心がちょっと強い傾向にありましたが、うつ病にかかるまえは、通常の人間だったと、客観的に考えられます。

このように、元々のその方とは大きく違ってしまった場合、「病気」という可能性は相当に強いといえます。その「病気」とは、このケースでもっとも考えられるのはうつ病です。稀に、癌の随伴症状として精神症状が現れることがあり、傍腫瘍性症候群と呼ばれています。ここでいう「随伴症状」とは、「癌になったことへの心理的反応」という意味ではなく、癌に対する抗体が神経系に作用して出てくる症状という意味です。
しかしこの【2350】のケースでは、かなり早期の癌であったようですので、傍腫瘍性症候群の可能性は低いでしょう。うつ病の治療を続ければ、よくなると思います。

(2013.2.5.)


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