精神科Q&A

【2270】子供につらくあたる、その他の変調


Q: 30代後半の主婦です。 このサイトに出会えたきっかけは、“子供につらく当たる”と検索していたらたどり着きました。まず、子供なのですが、小学4年・2年の二人姉妹です。 ●最近ちょっとしたきっかけがあるとつらく当たるようになり、手を出すこともあります。本当に些細なことだと思うのですが、私が仕事から帰ってきた時に宿題ができていなかったとか、机の上が物であふれているとか・・・小学生ならあたりまえのことなのに、大丈夫な時と怒(いか)りが止まらない時があります。私が怒(おこ)るときは、とにかくヒステリックに叫び、物を投げたり蹴り上げたりします。でも最近は、少し変わってきて、怒りがこみあげると何秒かすると心の怒りがフッと消えてなくなり何もする気がなくなり一人になりたくなります、夕飯の支度ができていれば、テーブルに二人分の食事を並べ、“ママはこれから一人になるから、ご飯ちゃんと食べて二人でお風呂入って寝てね”と言いビールを持って一人になります。二人の娘は雰囲気を察して近寄りません。言われたとおりにします。 ●気分の波(バイオリズム?)でいうと、半分より下の方を一定に横線を引いた状態です。なので、下の娘がとても可愛い踊り(見ている誰もがプッと吹き出すような)をしても笑えるときもあれば全く無表情で眺めている時もあります。 ●子供の習い事のヴァイオリンの時、ヴァイオリン本体に肩当というものを取り付けるのですが、本来なら本体の裏側に取り付け、楽器をかまえた時に肩に肩当がくるのですが、最近のレッスン時、その肩当を弦の方に無意識に取り付けてしまいました。先生には“お母さん、お疲れのようですね”といたわりのお言葉をいただいたのですが、元来私はおっちょこちょいなわけではないのでそれが疲れからくるものか不安になりました。現に、取り付けている間は楽器を手に持ってこの目で見ながら取り付けるわけですから、気が付かない筈がないのです。取付時に自分がそこにいなかったとしか思えません。(気を失っていないのに意識がなかった感じ) ●林先生の本に出会えて、うつ病の方に対して申し訳ない誤解をしていたことがわかりました。先生も危惧されていらっしゃるとおり、私が見てきた自称うつ病の方は擬態うつ病のような方で(たとえば 【1962】自分勝手で被害者意識が強い部下 のような方)、仕事を休める・家事も育児も休める・元気になった時には楽しむことができる等です。うつ病っていいな〜私も休みたいな〜などと思う反面、体を休ませたいのは事実だけど、絶対うつ病にはなりたくないとの思いが強かったのです。あんな怠け者には絶対ならないぞと休みたいと気が緩んだときは思っていました。本当のうつ病の方に申し訳ないし、この擬態うつ病の方にも申し訳ないのですね・・・ ●自殺について私は、子供が小さな頃から、“自殺してはダメよ。次に生まれ変わった時に、また一緒になりたいからね”と、言い続けてきました。(しょっちゅうではなく、何かの折に)子供に私の世界観を押し付けるのはいいことではないのですが、何かあった時に自殺を選んで欲しくなかったからついつい言ってきました。なので、自殺は絶対にしません。だけど、一人で車に乗っている時は、対向車がこっちに向かってきてくれないかな〜。とか、トンネルで、崩れたらいいのに・・・とか思うようになり、私がいなくなったら後のことが大変だから、どこに何があるかしっかり書き留めておかなくちゃと思いつつ、遺書を書いたり何がどこにあるのかを書き留めたらもっとこの思いが強くなるのではないかと意識して書かないようにしています。もし、うつ病であれば、そんな状態の時に自殺したらどうしよう・・・と思い、意を決してメールしました。 林先生なら、今の私の状態を客観的に見ていただけると思いすがる思いです。ただ、月に何百通もメールをもらう先生のお目にとまるかどうかわからないので、Q&Aに上がってくるかどうかもあまり期待できないかもしれませんね。その辺は承知の上でのメールですので。このサイトを見つけてからメールを書いてみようと思うまでに、1〜2週間要しました。その間、Q&Aをよく見たり、図書館で先生の本を借りて(ごめんなさい。購入すればいいのですが、自分の物をお金で買うということができないので。←これは、性格の問題です。)読んでみたり、今までに感じたことや思ったことをまず下書きして(紙に書いたら人に読まれるので、PCのWordに書き止め)何度も読み返してみないとメールが送れません。 時間に非常に厳しく、予定の時間の5分前に到着するには・・・と考えたら、渋滞やなにやらいろいろ考えていつも30分から1時間前に着いてしまいます。いつも時間に縛られている感じです。眠りから覚醒する時に、おでこから頭頂部にかけての脳みそがお餅のような感覚でひっぱられたり(覚醒)もとにもどったり(入眠)、という感覚がたまにあります。車の中で考えごとをする時、ラジオでも音楽でも大音量にしておくと安心して考えごとができる時があります。意識が大きな音にさえぎられて出ていかない感じです。 とても長いメールで申し訳ありません。林先生に「健康です。」と言われたら安心します。「うつ病です。」といわれたら、病院へ行こうとおもいます。(なにかがないと、行かれないのです。)「擬態うつ病です。」と言われたら、がんばってみます。(もともとがんばるのが大好きです。最近は、がんばれって言われるのがキライな人もいるようですが、私はこの言葉は大好きです) 私が一番怖いのは、自分が知らない間に自殺してしまわないかが怖いです。


林: うつ病を発症している可能性があると思います。精神科を受診されることをお勧めします。
子供につらくあたる。いらいらする。ヒステリックになる。質問者が最初に自覚した変調です。これだけを取り出してみれば、うつ病でなくても十分にあり得ることです。けれども、そこからの経過全体を見ると、うつ病の発症である疑いは濃厚といえます。
なぜそう言えるのか。その問いに対する真の答えは、「全体の流れから」ということになります。さらに言えば「全体の雰囲気」とも言えますが、それでは答えになりませんので、あえて一つ一つの記載を取り出してみます。そのような取り出し方をすると、そのうちの一つか二つに着目されて、「こういうことがあると、うつ病の疑いが濃厚ということなんだ」と誤解されることが非常に多いのですが、一つ一つを取り出すのは説明のために「あえて」行なっているにすぎないということに充分注意してお読みください。

怒りがこみあげると何秒かすると心の怒りがフッと消えてなくなり何もする気がなくなり一人になりたくなります、夕飯の支度ができていれば、テーブルに二人分の食事を並べ、“ママはこれから一人になるから、ご飯ちゃんと食べて二人でお風呂入って寝てね”と言いビールを持って一人になります。

病的な気分の変動の色彩があります。

気分の波(バイオリズム?)でいうと、半分より下の方を一定に横線を引いた状態です。なので、下の娘がとても可愛い踊り(見ている誰もがプッと吹き出すような)をしても笑えるときもあれば全く無表情で眺めている時もあります。

これも同様です。

元来私はおっちょこちょいなわけではないのでそれが疲れからくるものか不安になりました。現に、取り付けている間は楽器を手に持ってこの目で見ながら取り付けるわけですから、気が付かない筈がないのです。取付時に自分がそこにいなかったとしか思えません。(気を失っていないのに意識がなかった感じ)

うつ病に見られる集中力の低下としてとらえることができます。

だけど、一人で車に乗っている時は、対向車がこっちに向かってきてくれないかな〜。とか、トンネルで、崩れたらいいのに・・・とか思うようになり、私がいなくなったら後のことが大変だから、どこに何があるかしっかり書き留めておかなくちゃと思いつつ、遺書を書いたり何がどこにあるのかを書き留めたらもっとこの思いが強くなるのではないかと意識して書かないようにしています。

生きることに対する欲求の低下と見ることができます。希死念慮(自殺願望)につながるものです。

眠りから覚醒する時に、おでこから頭頂部にかけての脳みそがお餅のような感覚でひっぱられたり(覚醒)もとにもどったり(入眠)、という感覚がたまにあります。車の中で考えごとをする時、ラジオでも音楽でも大音量にしておくと安心して考えごとができる時があります。意識が大きな音にさえぎられて出ていかない感じです。 

漠然としていますが、このように、本などに出ている症状の項目にあてはまらない変調も、うつ病にはよく見られるものです。

「うつ病です。」といわれたら、病院へ行こうとおもいます。

病院に行ってください。今の状態は改善します。

(2012.7.5.)


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