精神科Q&A

【2213】うつ病から社会復帰後のご報告です(【1888】、【2137】のその後)


Q: 私の経過報告、【2137】うつ病からついに社会復帰し、喜びを実感しています(【1888】のその後)を掲載くださり、本当にありがとうございます。今日メールをさせて頂きましたのは、再就職をしました特例子会社を無事に一年間無遅刻・無欠勤で迎えることができた事をご報告致します。 再就職から半年近くは、10時から18時の1時間短い勤務時間でメンタルとともに体力も整えさせて頂きました。その後、東日本大震災を受けてもメンタル的には、余りひどい影響を受けることなく仕事を続け、間もなく9時から18時のフルタイム勤務となりました。 大震災の折には、事務所から、帰宅難民となりつつも約6時間かけて徒歩にて帰宅し、それができた事も自信に繋がったような気がします。 更には日給月給制(正社員)だった雇用形態が、月給制(正社員)となり腰を据えて仕事をすることができるまでに回復をする事ができました。 今現在は、以下の薬を処方されております。・ジェイゾロフト 夕食後 4錠・ピーゼットシー 糖衣錠2 朝・夕食後 1錠・ガスターD    0.5mg  朝・夕食後 1錠・ミオナール   50mg   毎食    1錠・ユーバン    0.5mg  毎食    1錠・メチコバール  500μg  毎食    1錠就寝時は、次の薬を服用しています。・レスリン   25mg  2錠・アモバン   10mg  1錠・レンドルミン 0.25mg 1錠・メイラックス 1mg   1錠 現在の主な症状は以下の通りです。・極度の耳鳴り・胃痛(ガスターDを服用しなければ、動けない状態です)・めまい・多少の不安感・不眠症・手先の震え、特に右半身のしびれが出る事がある。・今行った業務などをすっかり忘れてしまう。 仕事の内容も健常者の扱いに近くなり、責任ある仕事を任せて頂けるまでになりました。ただ、1ヶ月後には現在の事務所を閉所し、親会社がある東京に転居する事となりました。会社の運営方針の転換と、経費削減など色々な事が重なっての決断と聞いております。私にも転居に伴い、一緒に仕事をしようと声をかけて頂き、喜んで本社に異動をする事としました。すでにこの事は特例子会社の社長より前もって内々に打診があり、先月からは週1〜3日程度本社にて勤務をしております。今のところ、大きなメンタルの変調もなく、年末の移転に向けての準備も進めております。 この事は精神保健福祉士に相談した折、異動すべきではなく、県内で再就職先を探した方が良いのではないかと注意を受けましたが、家族からは是非とももう一度東京で働き(倒れた時も東京で働いていました)、自分を取り戻しなさいと後押しをしてくれました。障害者職業センターのカウンセラーにも状況を報告した所、せっかくのチャンスだから頑張ってみましょうと言われました。更に主治医に相談した所、今の状態は安定しているので大丈夫でしょう、と言って頂けました。 この時も、立場の違いや見解の違いはありましたが、相談に乗ってくださる主治医や精神保健福祉士、カウンセラーや大切な家族のおかげで一歩前に踏み出せたと感謝しております。 これらの情報を自分で判断し、で気持ちは異動する事を前提に動き出し、今に至っております。 しかし、この二週間ほど、耳鳴りが酷くなり隣のスタッフから声をかけられても、会話が聞き取りづらくなってしまった為、本日有休を取って主治医に相談し、昨日まではジェイゾロフトが3錠でしたが、1錠増やして4錠にして様子を見る事になりました。 まだ、薬に頼っての生活ではありますが、徐々に仕事も楽しめるようになり、趣味も再開する事ができるようになりました。 蛇足となりますが、先月は忙しく20時間近い残業をしましたが、土日にしっかり休む事で無事に勤務をする事ができました。 来週からは2年目となる現在の仕事を、今まで以上に無理せず頑張り、夢としては親会社への健常者として転籍を勝ち取りたいと願うまでになりました。 今後も、林先生を通して、同じ病気で悩む方々へ、うつ病は時間がかかってもきっと治ると伝えていければ、おこがましい事ではありますが幸いと思います。また、変化があった時には、ご連絡をさせて頂きます。失礼いたします。 


林: その後の経過のご報告をいただきありがとうございました。【1888】【2137】、そして今回の【2213】という一連の流れは、うつ病からの社会復帰の、ひとつの貴重な実例として、読者の方々にとって大いに参考になると思います。これからも順調に経過されることを願っております。
とはいえ、今回の【2213】に書かれているように、順調な中にも時おり不調が顔を出すというのは、うつ病の回復期にはしばしばあることです。こういう時には、【2213】の通り、早めに休んで主治医に相談することが勧められ、それによって大崩れを防ぐことができるのが常です。また、残業も増え始めていることが読み取れますが、土日にしっかり休むことで安定を保っておられるのは喜ばしいことです。この時期の注意点としては、仮に土日に出勤が入っても、意外に大丈夫なことがあり、そうするとさらに無理を重ねてしまい、結果的に再発につながるということも少なくありませんので、たとえ好調が続いてもまだ回復期にあることに留意し、無理を避けることが勧められます。
またそのうちにご負担のない範囲で経過をご報告いただければ嬉しく思います。

(2012.3.5.)


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