精神科Q&A

【2113】一時的に統合失調症の症状が出る婚約者


Q: 私は30代男性です。33歳の婚約者がいます。 幻聴・独り言・暴言・軽い暴力で統合失調症の疑いがあると思っています。ただし、症状が出ている時以外は、家事も料理も会話も問題なくすることができます。 幻聴や暴言は何かのきっかけで始まるのですが、症状が出ている時は「何を話しているのか」「誰に文句を言っているのか」「何に怒っているのか」とにかくワケのわからない事を大きな声で、「私」にそして「空間の幻聴相手」に永遠と文句を言っています。たまに手も出ます。 時間にして3時間から6時間ぐらいは興奮・怒りの状態が続きます。 統合失調症の疑いがあると思い、本人を説得して精神科へ受診させました。その際、症状が出ている状態、経過を紙に書き、本人には内緒で先生に直接渡しました。 私は何度かの受診・観察・投薬治療を期待していたのですが、先生は「現在は症状が出ていないので、私からできることはありません」と返されてしまいました。 たしかに症状のでていない彼女は一見すると元気のない女性程度にしか見えないかもしれませんし、本人に病職がないので「幻聴はたまにあるぐらいで、特に怒ることもない」と言ってしまいます。 そんな状態の彼女に対し、「何も手の施しようがない」のは分らなくともないですが、必死に連れて行った自分としては正直ショックでした。 このような場合、私が彼女にしてあげることは何もないのでしょうか?早期の治療は無理なのでしょうか?彼女は明らかに徐々にではありますが、酷くなっていっています。 社会的な行動、一人の買い物や散歩も不安定になっています。 どうかお力沿いをお願い致します。


林: 
幻聴・独り言・暴言・軽い暴力で統合失調症の疑いがあると思っています。

確かに、最も考えられる病名は統合失調症です。

ただし、症状が出ている時以外は、家事も料理も会話も問題なくすることができます。

「家事も料理も会話も問題なくすることができる」ことは、必ずしもその時に統合失調症の症状が出ていないということにはなりません。むしろ、そのような時にも症状はあると推定するのが普通です。そして、時々その症状が悪化して、このメールに書かれているような症状が顕在化するのでしょう。そのような経過はよくあることです。精神科の受診は適切といえます。けれども、

症状が出ている状態、経過を紙に書き、本人には内緒で先生に直接渡しました。 私は何度かの受診・観察・投薬治療を期待していたのですが、先生は「現在は症状が出ていないので、私からできることはありません」と返されてしまいました。

これはあまりにもひどい医師と言わざるを得ません。この医師は全くやる気がないか、全く無能かのどちらかでしょう。そのどちらであるかを確認することには意味がなく、もはやこの医師の診療を受けること自体に意味がありません。他の医師を受診してください。

なお、仮に質問者の認識のとおり、激しい症状が出ているとき以外には、文字通り全く症状がないとすれば、他の病気、たとえばてんかんなどの可能性もあります。
(とはいえ、「社会的な行動、一人の買い物や散歩も不安定になっています。」とのことですので、激しい症状が出ているとき以外にも何らかの症状があり、やはり統合失調症であるとみるべきでしょう)

(2011.9.5.)


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