精神科Q&A

【1985】詐欺被害に遭っているのに自覚しない70代の義父


Q: 70代の義父の事で相談します。社債や株の詐欺被害に遭い、自分の預貯金を使いこんでしまいました。親戚や知人からも借金し、年金から返済している状態です。 すぐ近所に住んでいるのですが、毎日のように怪しい業者からの電話がかかり、相手をしているようです。いくら息子である主人が、騙されている事を言っても、言うことを聞かず、同居している主人の妹の家族とも仲が悪くなり困っています。消費者センターにも本人と主人が一緒に相談に行き、今の現状をわかってもらうよう説得しているのですが、すぐに「こんないい話がある」と詐欺話を鵜呑みにしてしまうのです。 ここに相談するのは、場違いなのかと色々考えましたが、何としても借金を取り返したいという気持ちからなのか、相手の業者に洗脳されているのか、かなりプライドの高く頑固な人なので、それが許されないのか、異常なまでの執着心をもっているのです。  何を考えているのか理解できない状態ですし、何かアドバイスを頂けたらと思います。よろしくお願いします。


林: 「70歳の義父が、詐欺被害に遭っているのに自覚しない」、このメールに書かれている情報はこれだけですので、このお義父様に何らかの精神疾患があるかどうかについては、全くわかりません。
 あくまで一般論としては、高齢の方でこのような詐欺被害に繰り返し遭い、しかもその自覚がない時、認知症にかかっていることは非常に多いものです。したがってこのようなケースでは、まず精神科で認知症かどうかの診断を受けることが薦められます。診断の結果、財産の管理などが不可能、またはきわめて困難といった判定が下されれば、法的な手続きによって、ご家族などがご本人の財産管理を代行することができます。「成年後見」がキーワードですので、お調べください。

(2011.5.5.)


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