精神科Q&A
【1981】息子のアパートの部屋が異様な状態だった
Q: 私は50代の母親です。別居している息子(26歳独身)の部屋の管理人から家賃の滞納(1ヶ月)と、部屋が汚くて、異様なので片付けてくれとの連絡があり、これで2回目なので、息子が仕事中に部屋に入ると、ゴミ箱から持ってきたかと思われる、女性ものの靴、下着が大量にありました。40Lゴミ袋20袋位になりました。私は、食べかす、ペットボトル等のごみは捨てて、その拾ってきたものはゴミ袋に入れそのまま置いてきました。本人の服も散乱していましたので、家に持ち帰り洗濯しました。私からメールで連絡しましたが返事はありません。 私の行動は間違ってましたか? この息子の行動は病院に行った方がいいのでしょうか? 夫の父が精神の病で長年病院に入院し亡くなったそうです。(離婚したため、夫も詳しく知らない)息子の仕事は司法関係で大変ストレスはたまるがやりがいはあると言っていました。酒とタバコは飲みます。性格は明るくやさしいほうで、友達付き合いもあります。
林: 一人暮らしの子どもの部屋に行ってみたら、異様な状態だった。これは、うつ病 患者・家族を支えた実例集 の「誤解」の章のケース23などと共通点があります。そのケースは、本の中に記した通り、統合失調症です。
この【1981】も、統合失調症の可能性があるとみるべきです。彼の祖父が「精神の病で長年病院に入院し」ていたということを合わせれば、その可能性は高まります。(精神科病院に長年入院する病気として最も多いのは統合失調症です)
この【1981】の質問者は、上記ケース23をお読みになると、「でも息子は窓に目張りなどしていないから、統合失調症というのは考えすぎではないか」「長年精神科に入院していたというだけで、祖父が統合失調症というのは安易すぎる推定ではないか」「統合失調症は遺伝性疾患ではないと聞いている。それなのに祖父の病気を息子の診断根拠の一つにするのはおかしいのではないか」などの疑問を、あるいはお持ちになるかもしれません。
けれどもそれは、「自分の子どもは統合失調症ではない」という願望に大きく影響された考え方です。
もし統合失調症であったら、早く治療を始めなければ、取り返しのつかないことになりかねません。
この息子の行動は病院に行った方がいいのでしょうか?
行ったほうがいいのではなく、行かなければなりません。そのためには親である質問者が積極的に動くことが必須です。今、息子さんを救えるのは親である質問者しかいません。
(2011.4.5.)