精神科Q&A

【1965】統合失調症と診断されてから3年後にアスペルガー障害と診断されました


Q: 25歳の男です。現在、アスペルガー兼統合失調症と診断されています。これまでの経緯を話しますと、21歳の時に、タバコをべランダで吸うようになってからおかしくなりました。ベランダで吸うようになって、しばらくすると、上階の住人が、わざと大きな音をたてて、窓をしめるようになったと感じ、だんだんと上階の声が気になり始め、壁に耳を澄ますようになりました。そこでの会話(幻聴)は、「外で吸うな」や「文句を言ってきて」など、私を批難する会話でした。そこからさらに発展して、日常生活のことを逐一批難される声が聞こえていました。最終的には、上階の人が、殺し屋を雇って私を殺しにくるという妄想に駆られ、家を出る形となり、両親が救済措置として、ウィークリーマンションに一時的に避難させてくれました。その甲斐もあってか、だんだん冷静に自分をみれるようになり、いろいろ調べたりした結果、自分は病気の可能性があるかもしれないと思い、精神科の門をたたきました。そして、病名は統合失調症と診断され、リスペリドン1rを処方され、その後、ルーラン12rとランドセンに変薬しました。そのまま大学は留年もせずにスムースに卒業できたのですが、仕事となると上手くできないというか、叱責されることが多く、職に定着ができていません。
ある日、些細なきっかけで、心理検査(WAIS-Vと生育歴)を受けることになり、気晴らし程度に受けてみました。結果は、言語性IQ119、動作性IQ93であり、有意差が認められるとなりました。そして、新たに、アスペルガーと診断名が下され、かなり驚いています。そこでお聞きしたいことがあります。
1 3年間同じ医師にかかっていて、このような遅い発見はよくあることなのか?
2 アスペルガーと統合失調症は併存するのか。


林: 質問者が統合失調症であるという診断には疑問はありません。しかし、アスペルガー障害と診断された理由が不明です。

言語性IQ119、動作性IQ93

もしこれだけが診断根拠であれば、それは全く不合理です。このような言語性IQと動作性IQの値の解離は、確かにアスペルガー障害の特徴の一つではありますが、この解離があればアスペルガー障害と診断できるわけではありません。成育歴その他、まだまだ確認しなければならないことはたくさんあります。したがってこの質問者がアスペルガー障害かどうかはわかりません。

ご質問の件に関しては

1 3年間同じ医師にかかっていて、このような遅い発見はよくあることなのか?

上記の通り、質問者がアスペルガー障害かどうか、わかりません。もしこのメールに書かれている情報だけが診断根拠であれば、その診断は大いに疑問です。

2 アスペルガーと統合失調症は併存するのか。

これはある意味診断の考え方の問題です。
客観的な事実だけをいえば、
「アスペルガー障害の人が、統合失調症の症状を呈することはあり得る」
となります。この事実は、
「アスペルガーと統合失調症が併存した」
ということもできますし、
「アスペルガーの症状として、統合失調症と同じものが出た」
ということもできます。

(2011.3.5.)


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