精神科Q&A

 

妄想を持つ人に対しては、直接会って話しても対応は難しいのに、ネットで適切な対応法があるとは思えない。が、逆に、ネットだからこそできる方法があるのではないか。と実は私は考え続けているのですが・・・。

 

サイト開設から13年経過した今も、そのような方法は思いつきません。妄想を持つ本人にプラスになる回答をするのは非常に難しいと言わざるを得ません。
 それでも何とかそれを試みることはあるのですが、裏目に出ることも十分に考えられます。
 たとえば【0364】向かいの家から悪口が、私だけに聞こえる (2003.1.5./2003.7.5.) の回答はその試みの一つです。この回答を、
善意に解釈する読者は、「細やかな配慮」という感想をお持ちになるようです。
悪意に解釈する読者は、「林の独善、不快な回答」という感想をお持ちになるようです。
では実際にはどうか。ここでの「実際には」とは、善意の解釈と悪意の解釈のどちらが多数派かということとは無関係です。質問者本人にとってどうかということです。99%の人が善意に解釈したとしても、本人にとってその回答がプラスにならなければ何もなりません。逆に99%の人が悪意に解釈したとしても、本人にとって回答がプラスになるのであれば、そんな解釈を気にとめる必要は一切ありません。
そこで実際には・・・残念ながらわかりません。【0364】のその後の経過は不明だからです。

というようなこともあって、精神科Q&Aでは、ただ事実を回答することだけを確固たる基本方針として継続しています。
これは間接的で、遠回りではありますが、最終的には精神疾患の当事者と当事者の周囲のすべての人々のためになる・・・と私は考えています。
その「最終的」とは、いつか? わかりません。精神科Q&Aが1万件に達した頃でしょうか。いやそんなには続けられないかな。5千件くらいとしておきましょうか。


(2010.12.5.)