精神科Q&A

【1895】統合失調症と診断された妻が、トップヒーラーになりたいからと離婚を要求している


Q: 50代男性です。先月、妻が、入院担当主治医から恐らく統合失調症だろうと診断されました。妻は5年前頃から膠原病のシェーグレン症候群と診断を受け、その後身体がだるいので医師からプレドニン5mg/日が処方され半年前まで投与されておりました。一昨年は子宮全摘の手術、昨年は卵巣全摘の手術を受けました。そして9ヶ月前には繊維筋痛症の診断も受けました。5ヶ月前頃からネットで探したヒーリングサロンで講習を受け、その後、妻はトップヒーラーになるといってのめりこんでいき、身体の痛み・だるさも無くなったかのように元気になりました。先月、私が仕事中にメールで”私の母が階段から落ちて入院した(実家は九州)”と連絡があり実家に連絡を取ってみると元気にしており、帰宅してから妻に確認してみると、4ヶ月後に間違いなく階段から落ちると確信をもって言っておりました。その後妄想・幻聴 ”サロンから呼ばれている”とか ”徐霊をしてもらいに行く” ”トップヒーラーになるために離婚して下さい”とか言いだし、夜中になると出かけて行きました。そこで精神科の先生に相談をしまして入院が決まりまして翌日無理やりに妻を病院に連れて行きました。2ケ月程の入院が必要と主治医から言われました。治療内容は聞いておりません。数日前に妻より電話があり ”ヒーラーになりたいから離婚をして下さい”とまた言われました。ものすごくショックで見舞いに行く気力が湧きません。今回先生の御本を拝読させて頂き安心して御相談のメールをさせて頂きました。退院後、妻はどのような状態なのか心配で心配でたまりません。今は大学一年生の一人息子が頼りです。そして妻の母・妹・弟も一緒に頑張っていこうと励ましてくれています。今後どうしたらよいのか教えて下さい。宜しくお願い致します。


林: 症状としては典型的な統合失調症ですが、膠原病による症状精神病(膠原病のような、身体の病気の一症状としての精神症状)も考える必要があります。ステロイド(プレドニン)も精神病症状の原因になることがありますが、5mgという少量で、半年前に中止していることからみて、それは考えなくていいでしょう。
いずれにせよ、

数日前に妻より電話があり ”ヒーラーになりたいから離婚をして下さい”とまた言われました。

は、精神病症状です。それに対し、

ものすごくショックで見舞いに行く気力が湧きません。

という質問者の反応は、一時的なものなら理解できますが、そのままの状態が続いているとすれば、なさけないと言わざるを得ません。

退院後、妻はどのような状態なのか心配で心配でたまりません。

心配は理解できますが、心配するだけでは何も解決できません。

今は大学一年生の一人息子が頼りです。

息子さんがあなたに頼るのが本当ではないでしょうか。

そして妻の母・妹・弟も一緒に頑張っていこうと励ましてくれています。

逆にあなたが彼らを励ます立場になるよう努力してください。

今後どうしたらよいのか教えて下さい。

主治医にお聞きください。

 

(2010.12.5.)


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