精神科Q&A

【1888】うつ病から社会復帰に向けて障害者職業センターに通所を始めました(【1745】【1794】のその後)


Q【1794】うつ病で長期欠勤し退職。その3ヵ月後、突然回復。現在、社会復帰に向けて努力しています の者です。 先週より県の障害者職業センターに通所を始めました。まずは2週間のスケジュールとして、月火木の三日間の通所をすることとなっております。三日間の通所にあって当初心配していた遅刻欠勤などはなく、またほかの障害を持っておられる方との交流も問題なくできております。ただ、初めてお会いする方がおられるときなどは、動悸や発汗がおきます。 ここに来られている方々は、身体的障害者の方も、私と同じように精神的疾患の方もいらっしゃいます。そのためか、緊張よりも何とか仲良くなろうと努力している自分がいました。 スケジュールとしては、8週間のプログラムが組まれております。 作業的には、前職が事務職であったこともあり、OA機器を利用した文書制作や、伝票整理などを擬似的に行っております。 しかし、電車・バスを使った通所は精神的に辛く、早く慣れられればと願っている日々です。このときの症状は、多汗・動悸・気分が悪くなるなど、予想通りの症状が出てきます。でも、以前に比べてかなり我慢ができるようになっていて、自分自身がびっくりしています。 ともかくも主治医の指示通り投薬されている薬を飲み(処方は変更されていません)、睡眠もとれるようになってまいりました。 また、ご報告できる段階に至りましたら、ご連絡をさせて頂きたいと思います。 


林: 経過のご報告をいただきありがとうございました。適切な対処により、順調に回復されている様子が窺われます。またそのうち経過をお知らせいただければ嬉しく思います。

この【1888】の方にとって、県の障害者職業センター通所は適切であると思われます。ただし(以下、質問者ご本人ではなく、読者へのメッセージです)、うつ病患者の社会復帰に向けての適切な方策については、まだまだ試行錯誤の段階ですので、この【1888】のような方法が必ずしも適切とは限りません。最近ではうつ病の社会復帰のための、私的な通所施設も存在しますが、これらが復帰のために本当に有効とは限りません(公的なものであっても同じです)。というより、うつ病と呼ばれる病気そのものが、非常に広く曖昧になっているため、「うつ病と呼ばれる病気」をまとめて、社会復帰を講ずることはきわめて困難になっているというべきでしょう。むしろケースに応じて個別的にメニューを立てていくほうが望ましいと私は考えています。

(2010.12.5.)


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