精神科Q&A

【1811】統合失調症で措置入院になった弟との今後の関わりについて‏

(続き)


言うまでもなく、この【1811】のケースは、いったん良くなったにもかかわらず、薬をやめたのが決定的な失敗です。そしてこの失敗は、致命的といえるものだった可能性もあります。措置入院とその後のこの方の症状だけを見ても、一回目の入院よりもはるかに悪い状態であることが読み取れますが、特に気になるのは、妄想が被害妄想ではなく、誇大妄想になっていることです。一般に、誇大妄想は治りにくく、時には薬が全くといっていいほど効かないこともあります。もちろんそうでないケースもありますので、改善する見込みがあるかないかといえばあるのですが、その見込みは薄いと言わざるを得ません。するとこの方の今後は、妄想と共存して生きて行くか、または、妄想がある段階では通常の生活が困難なのであれば(たとえば、妄想に基づいて人に多大な迷惑をかけるなど)、大量の薬によって鎮静を続ける以外にないかもしれせません。その場合の副作用は、一回目に薬を中断するに至った副作用の比ではありません。

一回目の治療の後に薬をやめたとき、

その時は家族の目にも以前より情緒が安定しているように見え、・・・・楽しそうに生活している弟に家族も安心していました。

無知に基づくこの楽観の代償が、この方とご家族の今後の苦しみということになります。

(2010.10.5.)


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