精神科Q&A

【1727】91歳の母の見当識障害の原因は何でしょうか


Q: 91才になる母についてご相談致します。 若い頃にリウマチを患って右手が固まった以外は大病はしておりません。64才まで父と共稼ぎをしていた母です。 父が他界してから、同居をはじめ、年の割りには元気でしたが、私の事で大きく心労をかけたこともあり、うつ症状や、排便が異常に気になり病院に通うことはありました。
 昨年、90才になってから、骨粗しょう症による骨折、虫垂炎&腹膜炎、肺炎、副腎皮質ホルモン不足によるミネラルバランスの狂いなどが現れ、加齢による全身的な機能低下であるから、何が起きても不思議ではないと言われております。 それから、尿道結石で、石の確認のため長い間、カーテンを閉めてオマルに排尿をしておりましたが、それと前後して見当識障害が目立ち始めました。昼寝毎に朝と思い、顔を洗うなど。 91才にしては気も若いので「認知症で、このまま皆に迷惑をかけるのではないか?」とか、見当識障害を非常に気にしておりました。 この時、精神科に連れて行きましたが、見当識障害を、自分で悔やみ、そうなったのを悲しむのは、認知症ではない。認知症は、自分がボケたことを自覚しないと言われました。
 それからは、時々、倒れて入院を繰り返しました。一過性の脳いっ血?を疑い、MRAをしようと思いましたが、体内金属のせいで出来ませんでした。 一番、ひどかったのは、全身を痙攣させ、口もがくがくで病院に運びました。これは1日続いていました。 脳内を心配して、CTで見る限りには、血のにじみも見えず、91才にしては、萎縮も少なく、綺麗な脳をしているとの事、ワーファリン(血をサラサラにする薬)で、詰まらない様にしておりますが、見当識障害は直らず。 入院を繰り返している間には、塞ぎ込むことも多かったです。今は、抗うつ剤、デパス、ワイパックスなどは飲んでいます。大分前からになります。 てんかんか?という疑いも持ちましたが、脳神経外科の脳波検査では、異常なし、しかし、てんかんの脳波を読める医者は少ないとも聞いております。 まずは、時々、意識混濁、痙攣で倒れることを無くしたい。 見当識障害をなくしてあげたいと思っております。 今は、私が在宅介護をしておりますが、私は働いておりますので、日中独居です。 今年に入ってからも5回の入退院を繰り返しております。 主治医が内科系なもので、見当識障害や、てんかん系には詳しくありません。昔から、うつ症状は出ており、年ですので、認知症もからめ、倒れるのと見当識障害の原因が掴めずにいます。 沢山の疑いは、あるのですが、定まった原因が見つからず困っております。 痙攣転倒、意識混濁、見当識障害の原因は、何でしょうか?また、どんな治療方法があるのでしょうか? 残り少ない余命を自宅で、楽しく暮らさせてやりたく、雲をつかむような話ですが、よろしくお願い致します。


林: 見当識障害についてのご質問が中心ですが、「見当識障害あり」とは、すでに専門的判断ですので、質問者がこの言葉でどのようなことを意味しているかがわからず、したがって、回答は困難です。回答のためには症状についての具体的な情報が必要です。おそらく質問者は日付や場所をきちんと答えられないことを観察し見当識障害といっておられるとまでは推定できますが、どのような場面でどのような質問をしたときにどのような答えをこの方がされるのか、それについての情報がなければほとんど何もお答えできません。

なお、全身が痙攣して倒れるのはてんかん発作です。それがてんかんという病気によるものかどうかはともかく、脳内に何らかの原因があるのは確実と考えるべきです。

脳神経外科の脳波検査では、異常なし、しかし、てんかんの脳波を読める医者は少ないとも聞いております。 

それはあなたのいい加減な知識にすぎません。てんかんの脳波が読める医者がいなければ、脳波検査に何の意味もありません。
それはともかく、このケースでは

時々、意識混濁、痙攣で倒れる

とのことですので、脳波に何の異常もないことはまず考えられません。何回か繰り返し脳波検査をするべきでしょう。

なお、

見当識障害を、自分で悔やみ、そうなったのを悲しむのは、認知症ではない。認知症は、自分がボケたことを自覚しないと言われました。

これは一般論としては正しいことですが、実際にはそんなにはっきりと断言できるものではなく、認知症のはじまりの時期に、認知機能の衰えを自覚し自ら訴える方は少なくありません。




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