精神科Q&A

【1701】うつ病で通院していますが、アルコールの問題も自覚しています


Q: 30代男性です。7年前父が急死しまして、家業を継ぎました。当時11名ほどの会社で子供の頃から遊んでもらっていた従業員の方々をまとめるという事になりました、皆に良くしてもらっていたのですが、プレッシャーと慣れない仕事に疲れていきました。最初の2年間は気が張っていたのかやる気もあり仕事をしていたのですが、3年目の元旦、生まれて初めて朝起きる事が困難になりました、その時は「疲れていたし、こういう事もあるのだな」と考えていましたが、それから毎朝起きるのに時間がかかる様になりました、夜も寝汗やトイレで4,5回起きるようになり、朝方起きると眠れなく、6時くらいになると、その日の仕事を考え始めて具合が悪くなったりしていました。仕事をしていても目眩と動悸で立ち上がる事も出来ない事が度々あり、その年の春「もう駄目だ」と思い精神科にかかりました。パキシルとコンスタンを処方してもらい、夜間は少し落ち着いている状態です。 
その病院でアルコール問題について相談しようとしたら、あしらわれてしまいました。初めて飲酒したのが中学の頃で格好をつけてウイスキーをポケットに入れて学校に行ってました、その後初めてブラックアウトしたのが高校の時。自分はお酒に強いと思い込んでその後も呑んでました。年に1回位ブラックアウトして、日常的に呑みに歩いてました。呑み始めると潰れるまで呑みたいので、休みの前や夜勤のバイトが終わった後朝から呑みました。長時間呑まないと酔わなかったからです。 おかしいと思い始めたのがここ2,3年で真冬にお店で呑んでいて途中から記憶がなくなったり、次のお店に行こうとしてお店の前で寝てしまっていたり。路上で寝たり、靴を忘れて家に帰ったり、鍵や財布もなくしたりします。そういう事が続いてしまっています。今日はここまでと思って呑むのですが、途中から記憶が無くなって道端で寝ている始末です。「次にこういう事があったら離婚する」と妻に言われてしまったので、ここ2カ月は外で飲んでません。車で出掛けるようにしました。飲むと止められる自信が無いからです。どこまで飲むのか自分でも分からないからです。家では許されているので飲むのですが、ビール1缶と缶チューハイで済んでいたのが、だんだん増えてジンやワインも家に残っているお酒を飲んでいる状態です。正直、このままどこまで行ってしまうのか不安でしょうがありません、でも家に帰ると飲んでしまいます。ビールやチュウハイはストックが無くなりましたが、残っているワインやジン、ウイスキーを飲んでしまいます。 私はどの程度のアルコール依存症なのでしょうか?外では我慢できます、次の日仕事の日は残らないように注意して飲みます。ただ休みの前の日は我慢していた分飲みたくなってしまいます。どうなのでしょうか?教えて下さい。お願いします。先生のお答によって次の通院する日に改めて助けを求めたいと思います。


林: あなたがうつ病かどうかはわかりません。しかしアルコール依存症であることは間違いないでしょう。したがって、まずアルコールをやめることが必要です。

うつ病かどうかわからない理由は、症状の具体的記述が、

毎朝起きるのに時間がかかる様になりました、夜も寝汗やトイレで4,5回起きるようになり、朝方起きると眠れなく、6時くらいになると、その日の仕事を考え始めて具合が悪くなったりしていました。仕事をしていても目眩と動悸で立ち上がる事も出来ない事が度々あり、

これのみであって、そしてこの症状が出始める直前の状況もはっきりしないからです。(仕事にかかわるプレッシャーが変化したか否かなど)

一方、アルコールに関しては、飲酒のコントロールが明らかに失われていますので、アルコール依存症であるといえます。

私はどの程度のアルコール依存症なのでしょうか?

この一文は、ご自分でもアルコール依存症であると自覚されていることを示している一方、「どの程度の」という表現からは、「まだ軽いから断酒まではしなくてもいい」という判断を期待しているとも読み取れ、それはアルコール依存症者の否認にあたるものです。

あなたに抗うつ薬の治療が必要かどうかはわかりません。
しかし、アルコールをやめることは間違いなく必要です。アルコールをやめなければ今の状態の改善は望めません。


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