精神科Q&A

【1625】摂食障害の娘の入院治療で、一年間は面会しないほうがいいと医師から言われた


Q: 18歳の娘のことでご相談いたします。1年半ほど前、人間関係のこじれからダイエットを始め、拒食症になりました。4ヶ月前に体重が36キロ(身長159p)になり入院し現在も入院中です。体重は少しずつ増えています。病院の食事も残さず食べているようです。病院は思春期病棟で開放病棟です。病院の治療方針で、家族は面会ができず、2週間に一回、先生から子供の様子を聞かされます。一週間に一回のカウンセリングと毎日行事があるようです。同年代の子供とうまくコミュニケーションがとれず、自信がなく自分の意見もなかなかいえないようです。一年ぐらいの入院が必要で、面会は自立を妨げるので一年間はしない方がいいと先生から言われました。本人は入院を希望していなく、早く退院をしたいと思っております。こんなつらい治療をしなければならないのか、治すには親子とも我慢しなければならないのかと悩んでいます。他に治療法はないのかお聞きしたくメールを致しました。


林: 
一年ぐらいの入院が必要で、面会は自立を妨げるので一年間はしない方がいいと先生から言われました。

これはかなり特殊な治療法と言わざるを得ません。
摂食障害(拒食症を含みます)では、通常はこのような入院治療を行うことはありません。ごく一部の医師は、摂食障害とは、それまでの成長過程の中に重大な問題があり、治療のためにはいわば「育て直し」が必須であるという理論を持っており、その場合にはかなり長期間にわたる入院と面会制限をすることもあります。しかしこれはあくまでごく一部の医師の理論であり、もっとはっきりいえばかなり偏った理論であり、標準的な治療からはほど遠いものです。
 もちろん、標準的な治療以外の治療法が、すべて不合理ということはできません。中には有効な場合もあるでしょう。特に、他の治療法ではどうしても効果が得られない場合には、特殊な治療を試みることを考えてもいいでしょう。摂食障害でいえば、たとえば【0719】のようなケースでしたら、最後の手段として、「育て直し」的な方法に期待を懸けることも考えられます。
 一方、この【1625】は、症状の記載がほとんどないので何ともいえませんが、記載内容だけから判断する限り、それほど重篤とは思えず、また、標準的な治療を試みてもいない段階と思われますので、賭けのような形で特殊な治療に頼る必要はないと思います。したがって、

こんなつらい治療をしなければならないのか、治すには親子とも我慢しなければならないのかと悩んでいます。

そのような悩み・我慢をするべき状態とはいえないでしょう。
そして、このような特殊な治療は、害のほうが大きい可能性ももちろんあり、続けることでとりかえしがつかないことになるかもしれません。

病院は思春期病棟で

とのこと、その病院は摂食障害の専門治療を看板に掲げているのかもしれませんが、「専門」と称しているところが常に適切な治療を行っているとは限りません。この【1625】のケースでは、まず一般的な精神科を受診され、標準的な治療から始めることをお勧めします。


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