精神科Q&A

【1561】死にたい気持ちがなくならない


Q:  40代女性です。4年前から激務、生活の変化、体調不良が続き、まもなくうつ病の診断がつきました。その後休職し、1年間Aクリニックに通っていましたが、3分診療+薬増量増量で回復の気配もなくつらい日々が続き、その冬には希死念虜が強くなり、死ぬチャンスを待っていたような状態でした。なかなかタイミングがなく、できずに冬を越しました。 2年前に主人からクリニックを変わってみては、ということで、Bクリニックに転院しました。まずそこで行われたのは、炭酸リチウムを抜き、つぎにベゲタミンを他の眠剤へと移行、その後テトラミドの減薬でした。結果薬はデプロメール150mg,トフラニール150mg,レキソタン2mg,アモバン7.5mgとなり、減薬や移行はうまくいき、多少の苦痛、波はありましたが、楽になっていっているようでした。それにともない、カウンセリングというか、15分でしたけど毎週1回通院し、考え方や休養の取り方など細かくご指導いただき、自分でも歩いたり、食事に気をつけたり、うつ回復にいいということはいろいろ試していました。この時期は希死念虜はなくなっていたように思います。 昨年、復職に向けて会社から話があり、主治医に相談し、より良くなるように薬を変えてみる事になりました。デプロメール150mgを徐々にジェイゾロフト150mgヘ。そうしましたら、劇的に回復を(普通の人間のように)感じ、これなら働けると思いました。まもなく復職を果たし、リハビリ出勤しつつ、体調をみながらトフラニールを減薬していったほうがよいようになり(イライラがつのったりするようになったので抗うつ剤が効きすぎているかもということでした)順調に仕事と病とうまくこなせているといっていい状態でした。 それから、途中休んだりすることもありましたが、トフラニールを25~50mgずつ減らしていっていたのですが、100mg減らしたところで、猛烈な虚無感や孤独感、強迫観念に追いつめられ、(仕事も激務になってきていた)また「死にたい、消えてなくなりたい」が出てきました。主治医に泣いて辛さを話したところ、すぐにトフラニール150mgにもどされました。仕事は休めないという立場でしたので主治医に相談しながら薬での調整をお願いしていました。アモバン7.5を10mgにして、その後ハルシオンにし、中途、早朝覚醒がひどくなってきたのでロヒプノール1mg追加、レキソタン4mgでなんとか薬で頑張れていました。その後、仕事がさらに忙しくなり、このころはもう仕事の事だけしか頭にはなく、主治医の休みをとりなさいとかいうアドバイスも完全無視してとにかく頑張らなければという張りつめた気持ちで日々を過ごしていました。そして本格的に希死念虜が復活したのです。 会社では早朝から深夜までバリバリ仕事をこなし、充実した時間を過ごしていました。と、同時に不眠、食欲がない、頭痛、発熱、蕁麻疹に悩まされ、休まなければだめだとわかっていてそうできない、もう投げ出したいと思ってもできない、この状態から抜け出す方法がない、倒れるまでやれば許してくれるかな、とか失敗したら死ぬしかないとか、、、そして実行に移してしまったのです。でも未遂に終わり、いろいろな方に迷惑をかけてしまった今でもまだ死にたい気持ちが残っています。何をどうしても心の奥底に死にたい気持ちがあるのです。私は自死は運命のように感じています。なぜこのように考えてしまうのか教えていただけないでしょうか。性格、人格がおかしいのでしょうか。よろしくお願いいたします。人生相談になっているようでしたら申し訳ありません。 


林: 大変お悩みであること、お察し申し上げます。
けれども、残念ながらこのメールからはあなたの診断名が何であるかを読み取ることができません。症状は確かに記されていますが、経過の中にスポット的にこれこれの症状があったと記されているだけですので、ここから病名を推定することは困難です。トフラニールの量と症状に相関があることからは、うつ病が最も考えられるとも言えそうですが、その相関にしても、減量したら非常に悪くなったということ以外ははっきりした記載がなく、やはりよくわかりません。
 現在、希死念虜が強い状態であるとのことですので、メールに十分に症状や経過の記載ができないこと自体が、今のあなたの病気の症状であるのかもしれません。そうした症状がある時期に、助けを求められる気持ちを強くお持ちであることは十分理解できますが、残念ながらこのメールは情報不足で、私からアドバイスをすることはできかねます。今はあまりお考えにならず、また、あまり広く人の意見を求めることはせず、主治医の治療を受け続けることが最も大切だと思います。アドバイスは主治医だけから受ける、そして、主治医のアドバイスには絶対に従う、という姿勢のほうが望ましいでしょう。つまりたとえば、

主治医の休みをとりなさいとかいうアドバイスも完全無視してとにかく頑張らなければという張りつめた気持ちで日々を過ごしていました。

このようなことは今後は決してしないことが回復のためには大切です。


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