精神科Q&A

  【1391】体重が著しく減少してきた摂食障害の人への精神面からの治療法


Q: 私は40歳の看護師です。
45歳の患者様(女性)のことでご相談させていただきます。
28歳の時から慢性疲労症候群との事で治療を続けておられたのですが、徐々に起きられなくなり、徐々に食事摂取量が減り、現在一日の摂取エネルギーは500kcal程度で何とか維持している状態なのですが、チューブ栄養でエンシュアを50ml入れると、3時間も経ってから嘔吐し、点滴内にビタミンを入れると調子が極端に悪くなり、さらに栄養の摂取ができなくなってしまい、お手上げの状態です。(摂食障害だと思うのですが・・・)
現在、在宅でソリタT3の点滴200mlと生食100mlを一日一回行っています。
体重は20数kgだと思います。(身長はおそらく158cmくらいです)
精神面がとてもデリケートなためだと思っていたのですが、精神疾患が考えられますでしょうか?
この後、胃瘻の造設を行う予定なのですが、そんなことをすると余計に調子を崩しそうでとても心配しています。
精神面からの治療法がなにかあればご助言をいただきたいと思い、メールさせていただきました。
よろしくお願いいたします。 


林: 
(摂食障害だと思うのですが・・・)

その通りだと思います。

精神面からの治療法がなにかあればご助言をいただきたいと思い

摂食障害には、精神面からの治療が必要なことは事実です。
けれども、このように、体重が著しく減少している時期は、身体の回復を何より最優先しなければなりません。精神療法的なアプローチはそのあとです。
その理由は、今この患者さんは命の危険にさらされているからです。摂食障害では、このようにして死に至ることが十分にあり得ます。

この後、胃瘻の造設を行う予定なのですが、そんなことをすると余計に調子を崩しそうでとても心配しています。

そんなことを言っている場合ではありません。調子を崩すことを心配する以前に、命の心配をしなければなりません。


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